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第10回大阪夏の大会報告


日 時:2013年7月20日(土)、 9:50~16:45   (懇親会 17:30 - 19:30)
場 所:マイドーム大阪8階 第1・2会議室5階ホール
参加費:会員 3,500円、一般 5,500円

会次第
09:20 開場
09:50 開会の挨拶【大澤勲】
10:00 製品開発を成功に導く早く失敗を知る方法【髙木正和】
11:00 地震減災の今後【河田惠昭】
12:00 休憩
13:00 正しく早く防災情報を伝えるには【金田義行】
14:00 仕事と私【高嶋善彦】
15:00 休憩
15:15 失敗こそ悲嘆に落ち入る体験【髙木慶子】
16:30 閉会の挨拶【飯野謙次】
16:45 終了



 記念すべき第10回目の大阪夏の大会は、7月20日(土)、マイドーム大阪で無事開催されました。異常気象も伴い、連日猛暑の中、大会のためにお越しいただいた講師の方と聴講者の皆様に感謝を申し上げます。
 参加者数は会員36名、ゲスト・一般13名、ITC関係25名、外部講演者5名の計79名でした。

 大会当日、大阪分科会リーダーの大澤さんの挨拶から、最初の講演者である髙木正和(たかぎ・まさかず)さんにバトンタッチされました。
  製造業専門中小企業診断士として活躍されている髙木さんですが、かつてとある電線メーカーで仕事をされていました。その時の髙木さんはいろいろな事を知らなかったが故に多くの挫折を味わい、何を知るべきか、何を開発すべきかを模索していたとのことです。
 いったいどの方向へ進めばよいか、その道筋が見えたのは「品質工学」と出会った時でした。そこから製品開発を成功に導き失敗を知る方法について髙木さんが確信を持ったことを、いくつかの事例をあげてお話されました。

 次に、地震による滅災、防災について、関西大学社会安全学部教授の河田惠昭(かわた・よしあき)さんと 海洋研究開発機構、地震津波・防災研究プロジェクトリーダーの金田義行(かねだ・よしゆき)さんにご登壇いただきました。

 河田さんからは、自然災害に遭遇した時、被害をゼロにできる見込みがない場合に被害の最小化を目指す「滅災」についてお話いただきました。 行政の災害対策や防災政策に対する方針から将来どう取り組んでいくか、想定外の被害を受けないためにどう対応し工夫すべきかをあげ、その対策の効果を発揮するための考え方の現状について報告されました。

 金田さんは、阪神淡路大震災と東日本大震災の被害をあげ、再来が危惧される南海トラフ巨大地震大津波が起きた時、どのようなことが起こりうるかを考えた時に、やはり防災・滅災へ向けた活動と研究を進める必要があると提言されました。 その上で、海底観測網や先進的なシミュレーションに基づく避難の迅速化を含む防災減災研究の現状や課題はどのようなものか紹介されました。

 お昼休憩を挟み、午後の部最初は高嶋技研創業者、センシング技術アドバイザーの高嶋善彦(たかしま・よしひこ)さんから始まりました。
 失敗学会春合宿で高嶋さんとお会いしたのが縁で、本大会にもご登壇いただくことになりました。
 高嶋さんと仕事との関わりは半世紀の密度であるため、全てお話いただくには時間に無理があったと思われます。このあたりの話を伺いたいとあらかじめお知らせしておくのがよかったと、後で思ったことでした。とはいえ、何が起きてもめげずに前進していく姿には勇気づけられました。

 夏の大会フィナーレは、上智大学特任教授、同大学グリーフケア研究所特任所長の髙木慶子(たかき・よしこ)さんです。
 大事なものを失った時の悲嘆(グリーフ)のケアを考える必要がでてきました。なぜ今それが必要なのか、社会状況の変換によって様変わりしてきた生活スタイルなどを例にお話されました。悲嘆に陥っている人に寄り添うとはどういうことか、シスターでもある髙木さんの言葉は人の精神を優しく包む慈愛に満ちたものでした。

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