失敗学フォーラム 116 in 大阪報告
"日本発プロジェクトマネジメントを学ぶ"岡田敏明
"失敗しない介護施設の選び方" 原 道彦
日 時: 2014年3月8日土曜日
場 所: エル大阪(大阪府立労働センター)7階707会議室
参加者: 【会員14名】岩崎雅昭, 大澤勲, 飯野謙次, 木田一郎, 平松雅伸
三田薫, 原道彦, 岡田敏明, 佐々木英三, 三国外喜男, 大高秀哉
北村兼一, 小川正, 太田 ミッシェル【一般1名】田中健一郎
スケジュール
14:00 集合
14:10 『日本発プロジェクトマネジメント
(P2M=プロジェクト&プログラムマネジメント)を学ぶ』 岡田敏明
15:10 『失敗しない介護施設の選び方』 原 道彦
16:10 休憩
16:20 今後の予定、春の合宿予定、
大阪夏の大会の準備状況(講師、会場)
飯野、平松、佐々木、三田、大澤
16:50 終了
17:30 懇親会(がんこ・実費3,000円)
【
報告】
『日本発プロジェクトマネジメントを学ぶ』 岡田敏明氏
講演概要:先ず、今回改訂されたP2M=プロジェクト&プログラムマネジメントと、 これまでのPM=プロジェクトマネジメントとの違いを解説された。
複数のプロジェクトを束ねるだけでなく、企業戦略に基づく戦略実現の設計に始まり、
各プロジェクトごとの使命・目的を明確にして、各プロジェクトも含めて広範にマネジメントすることと理解した。
プロジェクトマネジメントの例として、最も優れたマネジメントとして古代ピラミッドの建設をあげ、他にNASAのアポロ計画、
日本の古墳、伊勢神宮の遷宮などを取り上げられた。かってNHKで放映され多くの人たちの支持を受けた、
『プロジェクトX』について、あれはプロジェクトマネジメントではないと言った方がいるとその理由を説明され、『プロジェクトマネジメントは与えられた目標を達成するために、人材・資金・設備・物資・スケジュールなどをバランスよく調整し、全体の進捗状況を管理する手法。』と定義されている。つまり、特別のリーダーでなくとも学んで実践することができるものであるとされている。おまけとして、かって、ダメ虎阪神タイガースを優勝に導いた星野仙一監督のプロジェクトリーダー学(小田久弥)の分析も紹介された。
岡田氏の講演は、話題に引き込むために、たとえば『そもそも日本にプロジェクトマネジメントはるのか?』とか、『日本にプロジェクトマネジメントは必要か?』など、参加者への問いかけや質問が多くて答えに詰まることが多く、学生時代に舞い戻った感じであった。
参照:日本プロジェクトマネジメント協会、新版P2Mプロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック、新版P2M豆本
『失敗しない介護施設の選び方』 原 道彦氏
今回の原氏の会員発表には今までと違う大きな特徴があった。
それは、従来の発表はご自身の長年の仕事や専門性をベースにした内容が多かったのは当然であったが、
今回は先に発表が指名?されてから、仕事以外のテーマを探すという逆の意外性であった。
講演概要:近年、介護施設で事故が多発している実態が某新聞社の調査で判明しました。
宿泊サービス付きの通所介護事業所、いわゆる「お泊りディ」には「ロング」と呼ばれる長期宿泊者も少なくない。
その中で死亡事故が多発しており、日帰りが前提のディサービス施設で日々寝泊りするお年寄りの姿は、
少子高齢化に伴う家庭の介護力低下や入所施設不足など、高齢者を取り巻く現実を映し出した。
その様な介護に対する不安感が増大しており、報道では悪質なホームが紹介され不安感は募る一方であった。
この様な実態の中で、母を看る立場から介護施設をどう選べば失敗がないのだろうかを考察し発表された。
また、施設を調べている過程で、施設の機能面から考えると京都市の医療法人十全会京都東山サナトリウムは、
自身が将来入りたいと思う一つであるとの高い評価があった(ここの副院長加地一友氏には、
2010年の大阪夏の大会で「あなたの見る世界と私の見る世界」と題して講演頂いた)。
原氏は船井幸雄氏の著書100冊以上を読んでいるとのこと。
一読者にすぎない原氏の疑問に答えるため直接面談してくれた船井氏の心行きに打たれて、
氏の言葉を引用して最後に【あるがまま、成るがまま、すべてを肯定し、感謝し、
プラス発想して楽しく前向きに毎日を生きよう!真の自然の摂理と真の良心に従い、
できるだけ制約を外して、できるだけエゴをへらしなるべく質素に単純に、そして自由に感性のままに、
楽しく前向きに日々を過ごそう!】と話を締めくくった。
発表後の討論では、現職の民生委員、介護の経験者などがいて明日は我が身の身近な問題提起に活発な討論が行われた。
【大澤 勲】