事例名称 |
カメラのストラップ取付環で感電した |
代表図 |
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事例発生場所 |
工場検査工程現場 |
事例概要 |
カメラの検査工程の作業員がカメラのストラップ取付環で感電した。カメラ本体にストラップ取付環を固定するねじの先端が、フラッシュ用メインコンデンサの被膜を破り、フラッシュの300Vの高電圧がストラップ取付環に漏電したのである。組立工程において、ストラップをカメラ本体に固定するねじを設計値より長いものを使ったことが原因である。暫定対策として組立工程のねじ管理を強化し、恒久対策として本体のねじ穴を止まり穴に設計変更した。 |
事象 |
カメラの検査工程で、作業員がカメラのストラップ取付環で感電した。ストラップ取付環には、300Vの高電圧が確認された。瞬時の電圧であったため、幸い作業員のショックのみで大事には至らなかった。 |
経過 |
カメラ本体にストラップ取付環を固定するねじの先端が、フラッシュ用メインコンデンサの被膜を破っており、フラッシュの300Vの高電圧がストラップ取付環に漏電した。 |
原因 |
図2の左のように、カメラ本体にストラップ取付環を固定するねじとして、設計値より長いものを使ったことが原因である。そのため、ねじの先端がフラッシュ用メインコンデンサの被覆を破ってしまい、フラッシュの300Vの高電圧がストラップ取付環に漏電した。 |
対処 |
組立工程のねじの管理を強化し、設計通りのねじを使用した。 |
対策 |
図2の右のように、本体ねじ穴を止まり穴とし、万一ねじの長さが設計値より長くても、コンデンサの被膜を破らないように設計変更した。 |
知識化 |
組立工程では、すべて設計の思惑通りという訳にはいかない。特にねじ長さ等は各種のねじがあり間違いやすい。万一ねじ長さが異なっても、危険を回避できるようフールプルーフ化が重要である。 |
背景 |
尖ったところからショートする。3相200Vの配線を図3(a)のように、3本よってテープでぐるぐる巻きにしたが、実験中あわてて踏んだら大きな音をだしてショートした。よりあわせた線の先から火花がとんでまっ黒になっていた。(c)のように3つの結びめをずらしておけばよかった。また、図4(a)のように、通しねじからは気体も漏れる。(b)のように、なるべく止まり穴にした方がよい。どうしても止まり穴にできないときは(c)のように、三角溝を掘ってOリングをはめる。油圧回路の圧力数気圧のドレイン部分に多用されている。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、環境変化への対応不良、使用環境変化、人為的条件変化、設計変更、不良現象、機械現象、継手、ねじ継手、貫通ねじ穴、不良現象、電気故障、短絡、電圧、高電圧
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情報源 |
創造設計エンジンDB
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
0 |
マルチメディアファイル |
図2.カメラのストラップ取付環
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図3.配線の結び目からのショート
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図4.通しねじからは気体も漏れる
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分野 |
機械
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データ作成者 |
張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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