失敗事例

事例名称 振動試験で端子が電池を削り導電不良を起こした
代表図
事例概要 電気機器の振動試験で、導電不良が発生した。振動試験を行うと、電池が上下動するので、図2左のように、端子はバックアップ部分との接触点を支点にして回転する。この時マイナス端子が図のSの長さ分だけ左右に伸び縮みする。その結果、電池のマイナス部が端子によって削られ、削りくずが端子に付着し、削りくずが酸化して導電不良に至った。対策として、図右のようにバックアップと端子が接触しないように、端子と電池が一体となって振動できるようにした。
事象 電気機器の振動試験で、電池のマイナス部がマイナス端子によって削られ、削りくずが端子に付着し、削りくずが酸化して、導電不良が発生した。
経過 電気機器の振動試験を行ったあと、電源スイッチを入れても動作しない機器があった。調査した結果、電池のマイナス端子に、削りくずの付着が認められた。一方、電池のマイナス面にも削れが発見された。
原因 振動試験を行うと、電池が上下動するので、図2左のように、端子はバックアップ部分との接触点を支点にして回転する。この時マイナス端子が図1のSの長さ分だけ左右に伸び縮みする。その結果、電池のマイナス部が端子によって削られ、削りくずが端子に付着し、削りくずが酸化して導電不良に至った。
対策 図2右のようにバックアップと端子が接触しないように、端子と電池が一体となって振動できるようにした。
知識化 電池のように、スプリング力で支えられている部品は、慣性によってスプリング力に抗して移動する。この移動によって発生する不具合も考慮して設計する。
背景 端子の移動を積極的に利用して、接触面の酸化膜除去で導電不良を防止する場合もある。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、環境変化への対応不良、使用環境変化、定常動作、誤動作、手順、試験、構造の問題、振動、摩耗、材料的要因、接触、異物質接触、不良現象、電気故障、電気接点
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.端子が電池を削った
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)