事例名称 |
紙へのオイル塗布装置でオイルが過剰塗布された |
代表図 |
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事例概要 |
通紙性能を制御するために、紙の表面に特殊オイルを塗布する装置がある。量産開始直後、オイル過剰塗布の不具合が発生した。オイル量制御膜はオイルパッドに接着されているが、図2のように、接着剤がはみだしていた。このはみだし部にオイルたまりができ、時々そのオイルがオイルブラシに供給されたこと原因であった。暫定対策として、オイル量制御膜を接着する際、はみだした接着剤を固まる前にかきとった。最終的には、工程作業書に接着剤の塗布量と許容はみだし量を記載するとともに、塗布量制御の改善を行った。 |
事象 |
試作品ではうまくいっていたオイル塗布装置で、量産開始直後、オイル過剰塗布の不具合が発生した。 |
経過 |
試作品の評価で合格となった通紙性能制御装置で、量産開始直後、オイル過剰塗布の不具合が発生した。材質、塗布装置など様々な観点から原因を調査したが、原因不明のまま数ヶ月過ぎた。あるとき、オイル汚れの程度がひどいものがあり、よく観察するとオイルを染み込ませたパッドの一部に接着剤の固まりがあり、その部分に多量のオイルが溜まっていた。 |
原因 |
オイル量制御膜をオイルパッドに接着した時、接着剤の量が多くはみだして固まった。このはみだし部にオイルたまりができ、時々そのオイルがオイルブラシに供給されたこと原因であった。 |
対処 |
オイル量制御膜をオイルパッドに接着する際、はみだした接着剤を固まる前にかきとった。 |
対策 |
工程作業書に接着剤の塗布量と許容はみだし量を記載するとともに、塗布量制御の改善を行った。 |
知識化 |
接着剤のはみだしが、装置全体の機能を損なう場合がある。試作では注意深く手作業で接着したので、接着剤のはみだしがなかったが、量産では接着剤塗布量の微細な制御ができなかった。試作と量産で変わる部分への着目が必要である。 |
背景 |
液体の微小量一定供給は、生産技術の中では非常に難しい技術の一つである。1μリットル±1%でできれば非常に高度な技術といえる。 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、生産組織の理解不足、誤判断、狭い視野、発見遅れ、不良現象、機械現象、製造工程、流体、漏洩、材料的要因、付着、物質名リスト、機械油
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情報源 |
創造設計エンジンDB
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マルチメディアファイル |
図2.接着剤のはみだしがオイルだまりを作る
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分野 |
機械
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データ作成者 |
張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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