失敗事例

事例名称 支柱の繰り返し変形による溶接部の割れ
代表図
事例概要 熱交換器の中央に設けた支柱のすみ肉溶接部に割れが発生した。熱交換器は流体の圧力と熱膨張で、中央部が最大に変形する。この部位に支柱を設けたため、変形が拘束され、すみ肉溶接部に高い繰り返し応力が発生した。対策として、支柱を中央部から変形の少ない端部に移設した。
事象 熱交換器の中央に設けた支柱のすみ肉溶接部に割れが発生した。
経過 熱交換器を設計製作し稼動を開始していた。ある日熱交換器からの液洩れがあり、調査したところ、熱交換器の中央に設けた支柱のすみ肉溶接部に割れを発見した。
原因 熱交換器の起動・停止の繰り返しによって、中央部が膨張・収縮で最大に変形する。この部位に支柱を設けたため、変形が拘束され、すみ肉溶接部に高い繰り返し応力が発生した。
対策 支柱位置を変形の多い中央部から変形の少ない端部に移設した。
知識化 支持部は変形の少ない箇所に設けるか、変形しても拘束されない構造とする。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、不良現象、機械現象、部品リスト、熱交換器、構造の問題、継手、溶接継手、熱、流体、繰返し応力、材料的要因、塑性変形、割れ発生・成長
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.熱交換器の割れ発生部と支柱位置
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)