失敗事例

事例名称 ブルドーザを運転中、シフトレバーを操作しないのに、勝手に変速した
代表図
事例発生場所 土木現場
事例概要 ブルドーザを運転中、シフトレバーを操作しないのに、転石に乗り上げた時、または高速で走行している時に、勝手に変速した。図2のように、シフトレバーが車体に弾性ゴムで取付けられ、また変速機の変速バルブは車体に取付けられている。車体とキャビンとの相対運動で、弾性ゴムが剪断変形してリンクが引っ張られ、その結果、変速バルブが切替わってしまった。リンクをプッシュプルケーブルに変えて、取付け間の相対変位を吸収できるようにした。
事象 ブルドーザを運転中、シフトレバーを操作しないのに、転石に乗り上げた時、または高速で走行している時に、勝手に変速した。
経過 ブルドーザを運転中、シフトレバーを操作しないのに、勝手に変速した 。勝手に変速するのは、転石に乗り上げた時、または高速で走行している時であった。
原因 シフトレバーが車体に弾性ゴムで取付けられ、変速機の変速バルブは車体に取付けられている。転石に乗り上げた時や、高速で走行している時に、車体とキャビンとの相対運動で、弾性ゴムが剪断変形してリンクが引っ張られる。そのため、変速バルブが切替わってしまった。
対策 リンクをプッシュプルケーブルに変えて、取付け間の相対変位を吸収できるようにした。
知識化 操作レバーと操作バルブを異なる振動系に装着するときは、リンクでなくて、取付け間の相対変位を吸収できる構造、たとえば本事例のようなプッシュプルケーブルなどを用いる。
背景 弾性ゴムの変位量については、どのレベルの大きさの外力が掛かるかを、実際の運転条件で把握することが大切である。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、誤判断、誤った理解、調査・検討の不足、仮想演習不足、環境変化への対応不良、使用環境変化、定常動作、誤動作、材料的要因、剪断変形、不良現象、機械現象、相互運動部、機械的連鎖反応
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.シフトレバーと変速機バルブの取付け状態
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)