失敗事例

事例名称 車体フレームのブラケット溶接部に曲げ変形で亀裂が発生した
代表図
事例概要 薄板構造の車体フレームのブラケット溶接部に亀裂が発生した。ブラケットに加わる力で、剛性の低いフレームが局部的に変形し、早期に疲労破壊を起こした。対策として、溶接位置を剛性の高いフレーム側面に移設し、曲げ変形を避けた。
事象 薄板構造の車体フレームのブラケット溶接部に亀裂が発生した。
経過 図2のように、試作車両のブラケットを薄板構造の車体フレームの上面に、溶接した。車両テスト後の点検で、フレームの溶接部近くに亀裂が発見された。
原因 ブラケットに加わる力で、図2のように、剛性の低いフレームが局部的(A部)に変形し、早期に疲労破壊を起こした
対策 図3のように、ブラケットの溶接位置を剛性の高いフレーム側面に移設し、フレームの曲げ変形を避けた。
知識化 薄板構造では、剛性の小さい部位に溶接すると、本事例のように、荷重で局部的に変形することに加え、溶接ビード端部の応力集中と、熱影響による材料強度の低下も加わり、疲労強度が著しく低下する。
背景 溶接位置を変えることで、溶接ビード端部の応力集中と熱影響による材料強度の低下とを分離した。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、不良現象、機械現象、継手、溶接継手、応力集中、熱、材料的要因、材料強度不足、塑性変形、物質疲労、割れ発生・成長
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.車体フレームの亀裂状況詳細
図3.亀裂対策
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)