失敗事例

事例名称 ガラス粉砕装置で異常振動が発生した
代表図
事例概要 ガラス粉砕装置で異常振動が発生した。回転軸に取り付けた数個の刃の重みで、軸がたわみ、「たわみ振動」を起こした。対策として、回転軸の中央に支持点を設け、たわみを減少させた。
事象 ガラス粉砕装置で異常振動が発生した。
経過 ガラスを破砕するため、図2のような、回転軸に数個の刃を取り付けた破砕装置を設計製作した。稼動したところ、異常振動が発生した。
原因 回転軸に取り付けた数個の刃の重みで、軸がたわみ、「たわみ振動」を起こした。
対策 図3のように、両端のほかに回転軸の中央にも支持点を設け、たわみを減少させた。
知識化 「たわみ振動」の危険回転数は下記の手順で確認する。
1. 軸と断面二次モーメント(I)を求める。
2. Iと、ヤング率、軸寸法、軸質量から、はりの計算式でたわみ量
(δ)を求める。
3. δから固有振動数(f)を求める。
4. fから危険回転数(n)を求める。
5. 0.5<{(実用回転数)÷n}<1.5の範囲でないことを確認する。
背景 曲げによって生じる中央部の”へたり”は、軸受間の長さの3乗に比例するから、分割してその長さを短くすることが効果的である。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、材料的要因、塑性変形、不良現象、機械現象、構造の問題、振動
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.ガラス粉砕装置(対策前)
図3.ガラス粉砕装置(対策後)
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)