失敗事例

事例名称 基板のLSIの電源電圧に大きなノイズが発生した
代表図
事例概要 複数の同一LSIを実装した基板で、あるLSIの電源電圧に大きなノイズが発生した。この電源電圧は、消費電力がわずかだったので、電源専用線を用いずに、信号線にコンデンサをつけて給電していた。コンデンサから遠い位置にあるLSIは、LSIからみた電源のインピーダンスが高いため、各LSIの内部から発生する同位相のノイズが、同時に基板から集中的に伝わり、結果的にそれが重なって共振したためである。対策として、バイパスコンデンサでノイズをカットした。
事象 複数の同一LSIを実装した基板で、あるLSIの電源電圧に大きなノイズが発生した。この電源電圧は、消費電力がわずかだったので、電源専用線を用いずに、信号線にコンデンサをつけて給電していた。
経過 1枚の基板に同一のLSIを多数個実装した。この電源電圧は、消費電力がわずかだったので、電源専用線を用いずに、信号線にコンデンサをつけて給電していた。動作試験で、図2のように、コンデンサから遠い位置のLSIの電源電圧に、1個のLSIから発生する普通の大きさのノイズの数倍以上の大きいノイズが発生していることが確認された。
原因 コンデンサから遠い位置にあるLSIは、LSIからみた電源のインピーダンスが高いため、各LSIの内部から発生する同位相のノイズが、同時に基板から集中的に伝わり、結果的にそれが重なって共振したためである。
対策 バイパスコンデンサでノイズをカットした。
知識化 本事例のように、インピーダンスの高い電源系は、ノイズをカットするためにバイパスコンデンサで対応する。
背景 電源系インピーダンスを低くするには、メッシュパターン(多相回路)や電源層による給電が有効である。
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、集積回路、ハイインピーダンス、ノイズ、電源
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.LSIノイズの発生状況
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)