失敗事例

事例名称 複写機がコピー中に突然停止した
代表図
事例概要 複写機がコピー中に突然停止した。排紙部の上下ローラの軸がアースされておらず、この間を通る紙の持つ静電気が、近くの排紙を検出するマイクロ・スイッチ・アクチュエータに放電し、制御回路が誤動作した。対策として、上下ローラの軸受に導電性樹脂を使用し、軸受にアースを取った。
事象 複写機がコピー中に突然停止した。
経過 複写機の検査工程で、コピー中に突然機械が停止した。発生頻度にばらつきがあり、2枚に1回発生する時もあれば、2000枚でも発生しない時もあった。排紙を検出するマイクロ・スイッチ・アクチュエータを外すと、誤動作しなくなった。
原因 図1のように、排紙部の上下ローラの軸がアースされておらず、この間を通る紙の持つ静電気が、近くの排紙を検出するマイクロ・スイッチ・アクチュエータに放電し、制御回路が誤動作した。
対策 上下ローラの軸受に導電性樹脂を使用し、軸受にアースを取った。
知識化 複写機において、コピー紙が転写分離ユニットを通った後に接触する金属部品やローラは、コピー紙の静電気を逃がすため、必ずアースを取る。
背景 摩擦部分のある装置は、静電気が発生しやすい。静電気は、エネルギーとしては小さいが、高電圧の放電で電子回路に大きなノイズを与え、誤動作の原因となる。
シナリオ
主シナリオ 誤判断、誤った理解、調査・検討の不足、仮想演習不足、環境変化への対応不良、使用環境変化、定常動作、誤動作、静電放電、アース、回路素子、誤作動
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図1.排紙部の不具合
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)