失敗事例

事例名称 圧延ロール交換作業で芯出し作業が困難であった
代表図
事例発生場所 生産ライン
事例概要 圧延ロールの交換作業で、芯出し作業が困難であった。ロール交換時のロール芯出し作業は、シャーブロックで交換前のチョック(軸受ハウジング)の位置を決め、交換後にチョックをそこにはめ込んでいく。ところが、シャーブロックの位置が、圧延時の衝撃力や悪環境による腐食でずれるので、ロール交換のたびに芯出しをやり直す必要があった。そこで、チョックの固定方法をシャーブロックから、テーブルフレームにはめ込む構造に変更した。
事象 圧延ロールの交換作業で、芯出し作業が困難であった。
経過 圧延ロールは定期的に交換する。圧延ロールはチョックで支持されている。ロール交換時のロール芯出し作業は、図2左のように、シャーブロックで交換前のチョックの位置を決め、交換後にチョックをそこにはめ込んでいく。ところが、シャーブロックの位置が、圧延時の衝撃力や悪環境による腐食でずれるので、ロール交換のたびに芯出しをやり直す必要があった。
原因 ロール交換時のロール芯出し作業は、シャーブロックで交換前のチョックの位置を決め、交換後にチョックをそこにはめ込んでいく。ところが、シャーブロックの位置が、圧延時の衝撃力や悪環境による腐食でずれるので、ロール交換のたびに芯出しをやり直す必要があった。
対策 図2右のように、チョックの固定方法をシャーブロックから、テーブルフレームにはめ込む構造に変更した。その結果、衝撃力の吸収よび芯ずれを防止し、ロール交換作業での芯決めを容易にした。
知識化 設備や装置の使用環境や整備方法を考慮した設計とする。
背景 一般に繰返し位置決めする時は、位置決めピンを打ったり、浅いはめこみ溝に挿入したり(インローと呼ぶ)する。しかし、この方法もちょっとインチキである。溝にはめ込んで芯を出そうとしても、普通はチョックが溝の右か左に当るまでずれて、芯はすきまの分だけ合わなくなる。芯ずれの許容精度によって、適切な方法を選択する必要がある。
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、調査・検討の不足、仮想演習不足、圧延ロール、芯出し作業、メンテナンス、パーツ・モジュール交換、熱、衝撃、腐食、精度、位置合わせ
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.チョック固定方法の変更
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)