失敗事例

事例名称 トナー搬送用のスクリューが折損した
代表図
事例概要 量産直前の品質保証テストで、使用済みトナー搬送用のスクリューが折損した。このスクリューは使用済みトナーを回収容器に搬送するために、図2(a)に示す複写機ドラムユニット内に内蔵されている。そのスクリューはばねのようにたわみやすい構造で、図2(b)に示すような湾曲したパイプの中に配置されている。駆動されるとねじれて外面に繰り返し応力を受けるが、部品製造時の寸法のバラツキで、疲労限度以上の応力がかかったことが原因であった。対策として、図面上で寸法精度、表面のキズを規定した。
事象 使用済みトナー搬送用のスクリューが折損した
経過 使用済みトナー搬送用のスクリューは、駆動されるとねじれて外面に繰り返し応力を受けるので、疲労限度内にその応力がおさまるように設計した。しかし、そのスクリューが量産直前の品質保証テストで折損してしまった。
原因 部品製造時の寸法のバラツキで、疲労限度以上の応力がかかった
対策 図面上で部品の寸法精度、表面のキズを規定した。
知識化 繰り返し応力がかかる場合は、疲労限界線図で決まる許容繰り返し応力を基準に設計するが、製造条件のバラツキで所定の疲労寿命が確保できない事態が発生する。
背景 外観から判断できる寸法精度、表面のキズ以外に、残留応力の影響も検討する必要がある。
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、過去情報不足、不注意、注意・用心不足、企画者不注意、誤差設定不適、スプリング、計画・設計、計画不良、製作、ハード製作、製造工程、品質不良、不良現象、機械現象、繰返し応力、破損、破壊・損傷、破断
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.使用済みトナーを搬送するスクリュー
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)