事例名称 |
建設機械で履帯の高張力ボルトが、折損した |
代表図 |
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事例概要 |
建設機械の履帯に使用している高張力ボルトが、稼動していないにもかかわらず、不完全ねじ部で折損した。原因として、不完全ねじ底Rが小さいこと、Zn(亜鉛)メッキが水分によって腐食したこと、焼戻し温度が低いこと、などが推定された。対策として、水との接触を断つことや陰極防食処理(Zn、Snメッキ)をさけること、熱処理後、転造し圧縮応力を発生させたり、不完全ねじRを完全ねじRより大きくすること、焼戻し温度を上げ焼戻し脆性を防ぐなどがある。 |
事象 |
建設機械が稼動していないのに、履帯の高張力ボルトが折損した。 |
経過 |
図1のように、建設機械の履帯に使用している高張力ボルトが、稼動していないにもかかわらず、不完全ねじ部で折損した。 |
原因 |
不完全ねじ底Rが小さいこと、Zn(亜鉛)メッキが水分によって腐食したこと、焼戻し温度が低いこと、などが推定された。 |
対策 |
水との接触を断つことや陰極防食処理(Zn、Snメッキ)をさけること(環境因子)、熱処理後、転造し圧縮応力を発生させたり、不完全ねじRを完全ねじRより大きくすること(力学的因子)、焼戻し温度を上げ焼戻し脆性を防ぐ(材質熱処理因子)などがある。 |
知識化 |
高張力ボルトを締結状態で放置しておくと、無負荷でも数ヶ月から数年でボルトの頭部やねじ部が脆性破壊することがある。これを「遅れ破壊」という。対応としては、本事例のような、応力腐食割れの対策が有効である。 |
背景 |
高張力ボルトの遅れ破壊を考慮しなければならない場合は、目安として、ボルト材質が硬度HRc40以上、引張り強度1,200N/mm2以上で、同時に水と接触する場合である。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、過去情報不足、教育・訓練不足、ボルト・ナット、製作、ハード製作、焼鈍処理、使用、輸送・貯蔵、不良現象、化学現象、接触、異物質接触、破損、破壊・損傷、応力腐食
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情報源 |
創造設計エンジンDB
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マルチメディアファイル |
図1.高張力ボルトの使用個所と不完全ねじ部
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分野 |
機械
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データ作成者 |
張田吉昭 (有限会社フローネット)
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