失敗事例

事例名称 アルミニウム黄銅管から水漏れが発生した
代表図
事例概要 高温高圧給水加熱器のアルミニウム黄銅管から、水漏れが発生した。高温の水および蒸気が、酸化剤として銅合金内の合金元素と反応し、粒界腐食したためであった。対策として、管材料をCu-Ni系合金に変更した。
事象 高温高圧のアルミニウム黄銅管から、水漏れが発生した。
経過 高温高圧給水加熱器のアルミニウム黄銅管から、水漏れが発生した。調査してみると、図2のような粒界腐食の状況が確認された。
原因 高温の水および蒸気が、酸化剤として銅合金内の合金元素と反応し、粒界腐食した。
対策 管材料をCu-Ni系合金に変更した。
知識化 アルミニウム黄銅は、温度200℃以上の水または水蒸気中で、粒界腐食の発生がみられ、長期使用に耐えることができない。とくに残留応力がある場合は、粒界腐食がさらに加速される。200~350℃の範囲内ではCu-Ni系合金の使用が望ましい。
背景 銅合金内の合金元素が、高温の水および蒸気と反応することは、次式で示される。銅合金(Cu+合金元素)+H2O→Cu+合金元素酸化物+H2↑
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、過去情報不足、銅、蒸気、圧力容器・パイプ、計画・設計、計画不良、不良現象、化学現象、物質間反応、破損、減肉、粒界腐食
情報源 住軽金資料、腐食と対策-その3-海水以外の腐食による腐食、1968、2031-7
創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.アルミニウム黄銅の粒界腐食
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)