失敗事例

事例名称 ウェルドナットのボルトで締付け不良が発生した
代表図
事例概要 ウェルドナット(溶接されたナット)のボルトを規定の締付けトルクで締めたが、締付け不良が発生した。ウェルドナットの板金部品は、ナットの溶接後に塗装する。塗装の際に、ウェルドナットのねじ面に塗装が付着し、ボルト締付け時に回転抵抗となり、規定の締付けトルクでも、十分な締付け軸力が得られなかった。対策として、塗装時にウェルドナットのねじ面に塗料が付着しないようマスキングを行なった。
事象 ウェルドナットのボルトを規定の締付けトルクで締めたが、締付け不良が発生した。
経過 図2のような、ウェルドナットのボルトを、規定の締付けトルクで締めたが、締付け不良が発生した。調査したところ、ウェルドナットのねじ面に塗装が付着していた。
原因 塗装の際に、ウェルドナットのねじ面に塗装が付着し、ボルト締付け時に回転抵抗となり、規定の締付けトルクでも、十分な締付け軸力が得られなかった。
対策 塗装時にウェルドナットのねじ面に塗料が付着しないようマスキングを行なった。
知識化 締付けトルクで、適正な軸力を確保できるとはかぎらない。図2の場合、正常な締結の場合はT∝Fであるが、不具合の場合はT'=T+Tr∝F'となり、F'<Fで軸力が不足する。ここでFおよびF'は軸力である。
シナリオ
主シナリオ 不注意、理解不足、生産組織の理解不足、生産工程の配慮不足、ボルト・ナット、製作、ハード製作、製造工程、塗装、不良現象、機械現象、相互運動部、摩擦係数、機能不全、ハード不良、機械・装置、取付け部品、ガタ
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.ウェルドナットの締結
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)