失敗事例

事例名称 新設配管の気密テスト後にボイラが失火した
代表図
事例概要 図2のように、LPGのガス元配管から分岐した新設配管の気密テストを、窒素ガスを充填して行なった。テスト後、分岐バルブを開けたところ、稼動中のボイラが失火した。窒素ガスの圧力が規定値まで低下する前に、分岐バルブを開いたため、本管側に窒素ガスが逆流し、それがLPGガスを押し出したためである。
事象 新設配管の気密テスト後、分岐バルブを開けたところ、稼動中のボイラが失火した。
経過 図2のように、LPGのガス元配管から分岐追加した配管を新設した。この配管の気密テストを、窒素ガスを充填して行なった。テスト後、分岐バルブを開けたところ、稼動中のボイラが失火してしまった。
原因 窒素ガスの圧力が規定値まで低下する前に、分岐バルブを開いたため、本管側に窒素ガスが逆流し、それがLPGガスを押し出したためである。
知識化 気体・液体は、当然、圧力の高いところから低いところに流れる。各配管の相対圧力のチェックが不可欠である。本事例は窒素ガスの残圧によってLPGガスが逆流したものである。
よもやま話 ガスや流体は自分の思っていた方向と逆に流れることもある。ホテルで、隣の部屋でシャワーを止めると、突然、自分のシャワーに熱湯が出てくる状況と似ている。
シナリオ
主シナリオ 手順の不遵守、手順無視、操作手順無視、気体、窒素、試験、定常操作、手順不遵守、不良現象、化学現象、失火、組織の損失、経済的損失
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.配管図
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)