失敗事例

事例名称 コンピュータの電源ユニットの電力容量が過剰スペックであった
代表図
事例概要 演算部、メモリ制御部、メモリ部などの機能部品に、複数のCMOSを使用するコンピュータを開発した。これらの部品に電力を供給する電源ユニットを、各機能部品の最大電流を算出し、これらを加算して最大電力とした。実際に電力を測定したところ、設計した最大電力に対して、通常は5割程度、瞬間的な最大でも8割程度しか消費しなかった。すなわち、過剰スペックであった。プロセッサの動作は、図2のように、演算中は演算部は電気的に活性だが、メモリ制御部は不活性、逆にメモリアクセス中は、演算部は電気的に不活性だがメモリ制御部は活性であったためである。たった2割の過剰さだが、システム全体が体育館に入るような大システムだったから、電源も大規模になった。
事象 コンピュータの電源ユニットの電力容量が過剰スペックであった。
経過 演算部、メモリ制御部、メモリ部などの機能部品に、複数のCMOSを使用するコンピュータを開発した。これらの部品に電力を供給する電源ユニットを、各機能部品の最大電流を算出し、これらを加算して最大電力とした。実際に電力を測定したところ、最大電力に対して、5~8割程度しか消費せず、過剰スペックであった。
原因 プロセッサの動作は、図2のように、演算中は演算部は電気的に活性だが、メモリ制御部は不活性、逆にメモリアクセス中は、演算部は電気的に不活性だがメモリ制御部は活性であったためである。図3は消費電力レベルを示す。(c)のプロセッサ全体の消費電力の最大値Ptmaxは、(a)の演算部の最大値P1maxと(b)のメモリ制御部の最大値P2maxの合計より小さくなっている。
知識化 動作を時間的に予測して、電力を計算する。2つの機構に同時に負荷がかかることは割合と少ない。
背景 作用は同時に生じるとは限らない。負荷が集中しないと工程が楽になる。
シナリオ
主シナリオ 誤判断、誤った理解、詳細計画ミス、電子機器、計画・設計、計画不良、組織の損失、経済的損失
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.プロセッサ動作の状況
図3.消費電力の推移
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)