失敗事例

事例名称 動力伝達ピンの折損でサイクロ減速機から異音が発生した
代表図
事例発生場所 工場生産ライン
事例概要 設備稼働開始後3年で、搬送機駆動用のサーボモータのサイクロ減速機から異音が発生した。動力伝達用のピンの半数が折損し、残りのピンにもクラックが発生していた。減速機はメーカの標準品で、サーボモータの最大トルクは減速機許容トルクの1.3倍であった。また、フィードバック制御のため、加減速時に脈動が発生し、実際には2~3倍の負荷トルクが働いたと推定される。この負荷トルクの繰り返しで疲労破壊した。対策として、図2のように、大きさで1ランク上のサーボモータと減速機に変更した。
事象 搬送機駆動用のサーボモータのサイクロ減速機から異音が発生した。
経過 減速機としてメーカの標準品を使って設備を製作した。設備稼働開始後3年で、搬送機駆動用のサーボモータのサイクロ減速機から異音が発生した。分解調査したところ、動力伝達用のピンの半数が折損し、残りのピンにもクラックが発生していた。
原因 減速機はメーカの標準品で、サーボモータの最大トルクは減速機許容トルクの1.3倍であった。また、フィードバック制御のため、加減速時に脈動が発生し、実際には2~3倍の負荷トルクが働いたと推定される。この負荷トルクの繰り返しで疲労破壊した。
対策 大きさで1ランク上のサーボモータと減速機に変更した。
知識化 メーカの推奨を鵜呑みにせず、実際の稼動条件で選定する。
背景 定常運転時の条件だけでなく、加減速など非定常時の条件も考慮する。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、自作・購入の誤判断、計画・設計、流用設計、使用、運転・使用、不良現象、機械現象、過負荷、想定外負荷、破損、破壊・損傷、物質疲労
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.サーボモータと減速機の選定
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)