失敗事例

事例名称 寒冷地で潤滑剤の粘度上昇のためカメラ撮影ができなかった
代表図
事例発生地 寒冷地
事例概要 寒冷地でカメラ撮影しようとしたら、ピント調整やズームができなかった。カメラのレンズユニットでは、図2のように、ピント調整やズームのため、鏡銅を摺動させる。この摺動面に湿式の潤滑剤を使用したため、低温で潤滑剤の粘度が高くなり、摺動の負荷が大きくなってしまった。対策として、潤滑剤を乾式に変更した。
事象 寒冷地でカメラ撮影ができなかった。
経過 寒冷地でカメラ撮影しようとしたら、レンズの鏡銅が動かずピント調整やズームができなかった。
原因 摺動面に湿式の潤滑剤を使用したため、低温で潤滑剤の粘度が高くなり、摺動の負荷が大きくなってしまった。
対策 潤滑剤を乾式に変更した。
知識化 使用条件を考慮した材料の選択が不可欠である。本事例のような低負荷の摺動部には、乾式の潤滑剤をハケなどで塗布する。表1に乾式潤滑剤の特性例を示す。
背景 湿式の潤滑剤(油、グリスなど)を使う場合、低負荷摺動部への潤滑剤の流れ込みを防ぐために、オイルバリアを設ける。とくに、高温で潤滑剤の粘度が低くなり、流れ易くなる。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、予期せぬ使用環境、潤滑剤、計画・設計、流用設計、使用、運転・使用、不良現象、熱流体現象、熱、低温、流体、粘度、機能不全、ハード不良、位置決め
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.カメラレンズユニット
表1.乾式潤滑剤の特性
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)