失敗事例

事例名称 フィラメントの振動で高速複写機の画像に微妙な濃淡差が見られた
代表図
事例概要 従来よりコピー速度が速い高速複写機で、画像に微妙な濃淡の差が発見された。高速化によって、図2に示す構造のランプフィラメントが、軸に垂直に共振して発光位置がずれ、濃淡が画像に生じた。対策として、図3のように、フィラメントにアンカーを設けるとともに、ガラス管の突起でアンカーの振動防止を行なった。
事象 コピー速度が速い高速複写機で、画像に微妙な濃淡の差が発見された。
経過 従来と比べてコピー速度が速い高速複写機を開発した。評価テストしたところ、画像に微妙な濃淡の差が発見された。通常の画像では気にならないが、方眼紙のコピー画像で特定周期の濃淡が現れた。
原因 高速化によって、図2に示す構造のランプフィラメントが、軸に垂直に共振して発光位置がずれ、濃淡が画像に生じた。
対策 図3のように、フィラメントにアンカーを設けるとともに、ガラス管の突起でアンカーの振動防止を行なった。
知識化 従来、ランプの位置はランプガラス管の外周で決めていたが、ガラス管が揺れなくても、フィラメントが揺れれば、画像に濃淡が生じる。ランプの真の発光点であるフィラメントで決める必要がある。
背景 高速化など条件の変化で、従来発生しなかった不具合が発生することが多い。条件の変化に対する影響をどこまで考えるかが、不具合未然防止として大切である。
シナリオ
主シナリオ 誤判断、状況に対する誤判断、環境変化への対応不良、使用環境変化、ランプフィラメント、計画・設計、流用設計、不良現象、機械現象、振動、共振、機能不全、ハード不良、機械・装置、動作不安定
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.ランプフィラメントの構造(対策前)
図3.ランプフィラメントの構造(対策後)
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)