事例名称 |
ホテル ハイアット リージェンシーの空中通路設計ミス |
代表図 |
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事例発生日付 |
1981年07月17日 |
事例発生地 |
米国カンザス州カンザス市 |
事例発生場所 |
ホテル |
事例概要 |
ホテル建設から 1 年後に天井から吊り下げ式の通路が崩壊した。 |
事象 |
ホテル ハイアット リージェンシーが天井から吊り下げ式の通路をとり入れて設計されたが、建設 1 年後、約 2000 人が集まるダンスのイベント開催当日に 4F の通路が 2F の通路とも崩壊した。 |
経過 |
天井から吊り下げ式の通路 は柱を共有して 2F と 4F の通路を上下に吊り下げられていたが、4F 通路の接続部が荷重負担に耐えられず崩壊した。 |
原因 |
天井から吊り下げ式の通路は柱を共有して 2F と 4F の通路を上下に吊り下げる初期設計案が構造技術企業の監査を通った後で、柱に通路を取り付ける接続部の設計が変更(図2)。最終設計案は監査をしないで施工された。設計変更により 4F 通路の接続部の荷重負担が2 倍となり、最終設計案は建築基準を満たすものではなかった。また、建築中にも監査されなかった。建築作業及び素材の問題は認められなかった。 |
対策 |
初期設定案が監査を通るとその後変更があってもそのまま建設が続行できる現状況を考え直すことが必要。監査側の構造設計に携わる関連会社への監視、建築中にも定期的に設計変更がないか等の管理強化が必要である。 |
知識化 |
変更後の設計案を構造技術企業によって監査してもらうべきだった。建築中にも定期的に構造を監査すべきだった。工事の進行よりも、安全性を第一に考慮すべきだった。より厳しい建築基準を設けるべきだ。 |
背景 |
1976 年、A社は構造設計技術企業 B社に設計を持ちかけ、1978 年にB社は構造設計技術を手掛けることに同意。1978 年、C社が素材を提供することに同意。同年 2 月にC社が通路接続部の設計を変更。 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、企画者不注意、環境変化への対応不良、使用環境変化、使用文化変化、定常操作、誤操作、人為的条件変化、非定常行為、変更、設計変更、組織運営不良、運営の硬直化、審査手順不備、不良現象、機械現象、継手、みぞ型鋼、継手、ねじ継手、予期せぬ使用方法、破損、大規模破損、身体的被害、死亡、身体的被害、負傷
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情報源 |
http://www.class.umd.edu/enme/808f/Presentations/ Slide_Shows/KC_hyatt/
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死者数 |
114 |
負傷者数 |
200 |
物的被害 |
ホテルの通路が崩壊 |
マルチメディアファイル |
図2.変更前、変更後の接続部
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備考 |
負傷者は 200 人以上。 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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