事例名称 |
修繕欠陥によるタンクの破損 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1996年03月06日 |
事例発生地 |
米国ニューヨーク州セルカーク市 |
事例発生場所 |
貨物分類場 |
事例概要 |
貨物列車が運搬していた液体プロパンの入ったタンクからプロパンが漏れて爆発した。 |
事象 |
貨物分類場で運搬していた液体プロパンを荷降するために、貨物列車を移動中、タンクからプロパンが漏れて爆発した。 |
経過 |
9:17am にA社の貨物分類場で 2 人の監査員が 31409 ガロンの液体プロパンを運搬していた貨物列車 UTLX 803627 を点検し、異常が無いことを確認した。11:00am に荷降場から分類場に移動した。11:37am に UTLX 803627 と貨物を切り離した。UTLX 803627 は 9.4 マイルの時速制限を上回る 13 マイルで分類場を離れ、別の貨物 4 台と連結された。11:40am にマンウェイ部付近でタンク車が裂け、液体プロパンが漏れ出して引火し、爆発した。タンク車の後半分と後続の 4 貨物車が線路上を 1.6km 進行するほどの爆発威力であった。 |
原因 |
タンクの上部中央から 15cm のタンク外面の溶接部付近に亀裂が入った。マンウェイ部の余盛の溶接が不充分であったため、タンクに隙間、窪み及び亀裂ができた。亀裂に超過応力がかかったことが判明。また、タンクの素材である鉄が脆弱であったため、亀裂が急激に拡大し、タンクが真二つに裂けた。 |
対策 |
National Transportation Safety Board 及び Safety Board の素材実験施設によって事故の原因が調査された。 |
背景 |
UTLX 803627 は 1995 年 11 月 30 日に掃除、マンウェイ部のシリンダーの改造、点検が行われた。マンウェイ部の水切を取り除いて、マンウェイ部の強化パッドと外部ノズルの輪ぶちに奥行き約 9mm のシリンダーと水切を溶接した。タンクの自体には溶接されなかったため、溶接後の熱ストレス処理は行われなかった。1995 年 12 月 7 日にタンクと安全バルブの圧力テスト基準を満たし、バルブ、部品、連結器、トラック、ブレーキ、安全装置が全て適切であると報告された。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、手順の不遵守、手順無視、操作手順無視、環境変化への対応不良、使用環境変化、定常操作、誤操作、人為的条件変化、限度を超過、計画・設計、計画不良、破損、劣化、脆性、不良現象、機械現象、継手、溶接部位、溶接継手、残留応力、破損、破壊・損傷、割れ発生・成長
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情報源 |
http://www.ntsb.gov/Publictn/1998/HZB9803.htm
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
1 |
物的被害 |
隣接した線路上の貨物列車及び事故のあった貨物列車が破壊された。 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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