事例名称 |
A試験場での有害化学物質の漏洩 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1985年09月17日 |
事例発生地 |
米国メリーランド州アバディーン市 |
事例発生場所 |
A試験場 |
事例概要 |
A試験場内のタンクから有害化学物質が漏洩し、河川が汚染された。 |
事象 |
1985 年にA試験場内の有害化学物質を格納・処理するシステムが腐食し、酸が地面に漏洩。カナルクリーク川が汚染された。 |
経過 |
有害化学物質を格納・処理するシステムが腐食し、有害化学物質が地面に漏洩。漏洩した酸は河川に流れ込んだ。 |
原因 |
酸を格納するタンクの材質が不適当であったため、格納・処理システムが腐食した。 |
対策 |
州政府の調査団によって上記の原因が究明された。 |
知識化 |
職を失うことを恐れて対処しなかったことは、化学者として社会に対して負う倫理的義務に反する。軍内に匿名で規則違反を訴えるシステムが欲しい。 |
背景 |
米国陸軍施設であるA試験場では、第二次世界大戦以降、化学兵器の開発・試験・廃棄が行われてきた。米国では 1976 年に有害廃棄物に対する規制が設けられているが、1983 年から 1986 年までの定期監査によると、発火性又は有癌性物質が屋外に放置、混合すると致命的となる物質が同一の部屋に格納、毒性物質を含むドラム缶が漏洩、天井が崩れたために化学薬品用のドラム缶が破損・漏洩しても処置せずに 2 週間放置するなどの違反が数多くあった。 |
後日談 |
1986 年にA試験場は閉鎖される。1988 年に化学技術者である A氏 (化学兵器製造工程の開発担当)、B氏(化学兵器開発チームの主任)、C氏 (A氏及びB氏の部下) が起訴された。 |
よもやま話 |
shi |
当事者ヒアリング |
起訴された 3 名の化学技術者は有害廃棄物に対する規制について、全く知識がないと主張したが、有害物質を格納していたタンクには全て、規制に従って廃棄する旨が明記されたラベルが貼られていた。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、不注意、注意・用心不足、組織運営不良、運営の硬直化、報告制度不備、誤対応行為、自己保身、定常操作、手順不遵守、不良現象、機械現象、材料的要因、破損、減肉、腐食、破損、破壊・損傷、割れ発生・成長、二次災害、損壊、漏洩、汚染
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
0 |
物的被害 |
http://www.svsu.edu/~koperski/The%20Aberdeen%20Three_files/frame.htm |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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