事例名称 |
フロリダ州発掘会社致命的なトレンチ崩壊で448,000ドルの罰金課せられる。 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1996年11月07日 |
事例発生地 |
アメリカ、フロリダ州マーゲイト |
事例発生場所 |
トレンチ内 |
事例概要 |
フロリダ州マーゲイト郊外でトレンチ(溝)が崩壊し、中で配管工事などの作業をしていた作業員1人が死亡、2人が重傷を負う事故が起きた。 |
事象 |
フロリダ州マーゲイト郊外でトレンチが崩壊し、作業員1人が死亡、2人が重傷を負う事故が起きた。この事故で、トレンチ工事を請け負っていたフロリダ州ポンパーノビーチ郊外に位置するA発掘会社が、トレンチ工事及び作業員に対する安全対策を怠ったとして、米国労働安全衛生局(OSHA)に召喚され、トレンチ関連事故で史上3番目に多い金額の448,000ドルの罰金が提示された。 |
経過 |
A社のトレンチプロジェクトは、フロリダ州マーゲイトに位置する看護施設の拡張計画に伴い、マンホールの設置と看護施設の駐車場を通した上下水道の配管が行われていた。事故当時、4人の作業員が深さ10フィートのトレンチ内で上下水道の配管工事を行っていた。トレンチの壁が崩壊したとき、死亡した作業員1名と重傷を負った作業員2名は、硬くなった土壌と砂利の塊の下敷きになった。4人目の作業員は、トレンチ斜面の砂質土壌とわきに積まれていた漂積物に閉じ込められた。OSHAは、安全対策を全く行っていなかったA社の刑事訴追の可能性を追求している。 |
原因 |
同日トレンチが崩壊する前に、小さな落盤が何度か生じていたことにより、トレンチ壁が不安定な状態であったことが立証されている。また工事を請け負ったA会社は、専門経験が浅く、作業員の安全性を保護する対策などもいっさい行っていなかった。 |
対処 |
フロリダ州Broward郡の消防署から、特別な訓練をうけた救助隊が作業員の救出にあたった。 |
対策 |
当事故後、OSHAはトレンチ工事において、トレンチの形を改める、またトレンチの壁が崩壊したときに従業員を守る金属製の囲いであるトレンチボックスの使用するなどOSHAの基本的な安全対策が導入されていなかったことを指摘した。 |
知識化 |
危険を伴う建設工事では、安全対策を第一に行っていないと、大きな事故につながる。 |
背景 |
同日トレンチが崩壊する前に、小さな落盤が何度か生じていた、また現場にいた作業員がその危険性を雇用者に報告していたことから当事故が予見できた可能性は非常に高い。 |
よもやま話 |
ペンシルバニア州のB建設会社によるトレンチ作業においても、同年11月13日に父子2名の作業員が死亡する事故が起こり、145,000ドルの罰金がOSHAより課せられた。 |
データベース登録の 動機 |
危険性が最も高い建設工事の一つに指定されているとトレンチ工事において、安全性を全く無視して工事を履行していた結果、死亡事故を起こした事例の紹介。 |
シナリオ |
主シナリオ
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組織運営不良、構成員不良、構成員経験不足、調査・検討の不足、事前検討不足、価値観不良、安全意識不良、安全対策不足、無知、知識不足、過去情報不足、教育・訓練不足、非定常行為、無為、破損、大規模破損、崩壊
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情報源 |
http://www.osha-slc.gov/media/oshnews/apr97/osha97147.html
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死者数 |
1 |
負傷者数 |
2 |
全経済損失 |
OSHAより課せられた448,000ドルの罰金 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ユリエローディ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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