事例名称 |
バルブの不適合で石油工場爆発 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1997年06月22日 |
事例発生地 |
アメリカ、テキサス州デイア・パーク |
事例発生場所 |
A石油工場 |
事例概要 |
テキサスのヒューストン郊外にあるA石油会社の工場で爆発と火災が発生し、工場内にいた従業員一人が負傷し病院に運ばれた。事故の原因は、工場内の設備構成不良によるもので、ガス圧縮システムに使用されているチェックバルブ(圧縮空気の逆流を防止する機器)がシステムに合っていなかったため、そこから可燃性のガスが流出、今回の爆発を引き起こした。 |
事象 |
1997年6月の日曜日、テキサス州のデイア・パークにあるA石油会社の工場で爆発と火災が発生し、隣接する住宅などに被害を及ぼした。爆発により工場内にいた従業員一人が負傷し病院に運ばれ、付近の住人は家の窓を閉め、外に出ないよう忠告された。この工場は、他の化学生産物の供給材料であるエチレンとプロピレンを生産しており、いずれも可燃性が非常に高い物質で蒸気を吸入するとめまいと呼吸困難などの症状を引き起こす。 |
経過 |
爆発は日曜日の午前10時頃発生。爆発音は10マイル以上先まで聞こえ、火は10時間以上燃えつづけた。工場では約2400人の従業員が雇用されているが、爆破が起こった際には、約30人の従業員が勤務中で、うち一人が負傷して病院に運ばれた。工場から1マイル以内に住む住人は窓を閉め、住宅または建物の中にいるように忠告され、工場に近い公道225が一時閉鎖された。 |
原因 |
事故の原因は、工場内のガス圧縮システムに使用されているチェックバルブ(圧縮空気の逆流を防止する機器)クロウモデルGMZが工場のシステムに合っていなかったため、そこから大量の可燃性ガスが流出、流出したガスが引火し、今回の爆発を引き起こしたことがその後の米国環境保護団体による調べで判明した。 |
対策 |
当事故後、Aは問題のあったバルブ、クロウモデルGMZをすべて部分修正、退役または安全な設計のものと取り替えた。また工場内の設備に起こった問題を追跡する手法を導入した。 |
知識化 |
事故後の対策は徹底的に行わないと同じことを繰り返し、高いものにつく。安全性より大事なものは他にない。 |
背景 |
当事故の原因となったチェックバルブ、クロウモデルGMZに関連する事故はサウジアラビアなどのA工場で過去にも起きているが、Aは事後何の対策もとっていなかった。さらに、クロウモデルGMZはたくさんのA工場で引き続き使用されていた。よって当事故は明らかに予見できた。 |
データベース登録の 動機 |
危険物質を扱う会社が、安全対策を怠っていた事実を多くの人に知ってもらいたい。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、過去情報不足、調査・検討の不足、事前検討不足、安全対策不足、プロピレン、エチレン、有毒ガス、発火、物質間反応、爆発、不良現象、機械現象、流体、弁、漏洩
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情報源 |
http://www.cnn.com/US/9706/22/briefs/shell.oil.expl/index.html
http://www.dakotacg.com/releases/pa/dec01/61210a.htm
http://www.epa.gov/ceppo/pubs/shellrpt.pdf
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
1 |
全経済損失 |
35万ドル(Aが支払いに同意した環境汚染に対する罰金の総額) |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ユリエローディ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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