事例名称 |
新興住宅地で天然ガス爆発、住民新居で死傷 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1998年07月07日 |
事例発生地 |
アメリカ、バージニア州ルードン郡 |
事例発生場所 |
住宅地 |
事例概要 |
1998年7月7日深夜、バージニア州ルードン郡の南ライデイングに新しく新興された住宅地で天然ガスによる爆発と火災が発生、住宅が破壊され、新しく越してきた家族が死傷。他住宅5件と車2台が被害にあった。事故の原因は、損傷した電線の部分が過度の加熱により湾曲した際、隣接して引かれていたガス管に影響を及ぼし、ガス漏れが発生した模様。 |
事象 |
1998年7月7日午前12時25分頃、バージニア州ルードン郡の南ライデイングに新しく新興された住宅地で天然ガスによる爆発と火災が発生、住宅が破壊され、住宅内で寝ていた4人家族が死傷した。その家族は新居での最初の夜に事故に遭遇、妻が死亡、夫は重傷、そして二人の子供が軽傷を負った。他隣接する住宅5件と車2台が被害にあったが、他の住宅はまだ空家であった。 |
経過 |
事故当時、ワシントンDC近郊のバージニア州南ライデイングでは新しい住宅地の建設が進行中で、1998年4月22日に今事故に遭遇した住宅に引く電気工事が行われ、電線は住宅のすぐそばに溝を掘って地下に配線された。ガス管の工事は5月の第一週目に行われた。ガス工事を担当したガス会社の従業員によると、ガスの配管工事の際、電線の一部が露出したので、ガス管と電線の距離は12インチ離さなければならないと言う規則に従って、露出した電線と平行に12インチ離してガス管が引かれた。その後ガスメータを設置、ガスパイプの圧縮テストなどの点検が行われ、ガス設備の安全性が確認されている。ガス管が住宅に引かれた約6週間後の6月14日、住宅内で作業をしていた請負業者が家の中の電気が通っていないことを発見し電気会社に連絡した。その後電気会社の作業員が電線を調査すると、電線の下を通っているガス管とちょうど交差している辺りの電線の一部分に損傷が発見された。作業員は損傷部分を切断して電線をつなぎ直し、またガス管との距離が6インチしか開いていなかったので、12インチの距離をあけて電線工事を終了した。その際、ガス管に損傷は発見されていない。6月23日に事故のあった住宅が購入され、7月7日に家族全員が引っ越してくるまで住宅内の電気とガスは問題なく作動していた。事故当夜、両親は3階建ての住宅の地上レベルである2階で、2人の子供たちは3階で10時頃就寝した。爆発が起こる少し前に事故のあった住宅から約150フィート離れた場所で近所の住人が強い天然ガスの匂いに気付き、午前12時19分にガス会社に通報している。その数分後に問題の住宅が爆発した。 |
原因 |
事故の原因は、3重になった電線の伝導体の1つで接合されている部分が損傷し、電線に過度の加熱がかかって湾曲、隣接して引かれていたガス管に影響を及ぼし、ガス漏れが発生した可能性が高い。そして地下に充満したガスが湯沸かし機の種火により引火し爆発を引き起こした。電線の損傷は、ガスの配管工事が行われた際かその後の電線の配線修理工事の際にできたとされている。 |
対策 |
今事故後安全委員会は、各関連企業・団体に電気とガスの安全勧告を提出した。 |
背景 |
電線の損傷が発見され、また電線とガス管の距離が十分に保たれていないことが発見されていることから、何らかの不備が起こる可能性は予測できたのではないか。すべての配線・配管を見直す包括的な体制が必要であった。 |
データベース登録の 動機 |
事故にあった家族はせっかく購入した新しい家での最初の夜に不幸にも今事故に遭遇し多大なる被害を蒙った。住宅街でこのような爆発事故が存在することをより多くの住民に認識してもらいたい。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、安全対策不足、不良現象、化学現象、気体、天然ガス、発火、不良現象、電気故障、発熱、高温、機械的連鎖反応、手順、建設
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情報源 |
http://www.ntsb.gov/Publictn/2001/PAR0101.pdf
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死者数 |
1 |
負傷者数 |
3 |
物的被害 |
住宅6棟、車2台 |
備考 |
死傷者1は妻、負傷者3は夫重傷、子供2人軽傷。 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ユリエローディ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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