事例名称 |
温度上昇で製油所のパイプが破裂 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1997年01月21日 |
事例発生地 |
米国カリフォルニア州マーチネズ市 |
事例発生場所 |
Tosco Avon Refinary |
事例概要 |
製油所で排液パイプが破裂し、混合ガスが漏れて大気と触れ爆発した。 |
事象 |
製油所でリアクターが暴走後、安全装置が作動せず、温度が摂氏 760 度まで上昇して排液パイプが破裂し、メタン、ブタン、ガソリン、軽油、水素の混合ガスが漏れて大気と触れ爆発した。 |
経過 |
第 3 リアクターの第 4 触媒床で温度が上昇し、第 5 触媒床の吸込口の温度が急上昇したため、第 5 触媒床上部にあるバルブを開いて温度を下げる。第 3 リアクターの排出口の温度が上昇したため、第 2 過程の操作員が外部パネルの温度計を確認する。第 5 触媒床の吸込口の温度が再び上昇したため、第 5 触媒床に繋がるバルブを手動で閉鎖し、第 2 過程での水素生成がゼロになるのを待ってからバルブを開く。第 5 触媒床の排出口、リアクターの吸込口及び排出口の温度が上昇し続け、第 3 リアクターの排出パイプが破裂し爆発・火災となる。 |
原因 |
第 3 リアクターの第 4 触媒床で温度が上昇したことにより、第 5 触媒床の吸込口で温度が上昇したため、高温のためパイプが破裂した。 |
対処 |
爆発後、Emmergency Command Center に通知して、ただちに Incident Command Post を設置し、消火に当たった。Contra Costa County Health Services Department、California Office of Emergency Services、Bay Area Air Quality Management District、California Department of Fish and Game、National Response Center、EPA Region IX、CAL OSHA、Santa Fe Railroad に爆発事故を通知した。Community Alert Network を作動し、レベル 3 事故の警報を鳴らし、付近住民 2000 宅弱に電話による警告を行った。ユニットを閉鎖し、冷却水を消火水に充てた。リアクター及び破裂したパイプから窒素を通し、炭化水素を取り除いた。 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、保守時の不注意、不良現象、化学現象、発火、気体、物質間反応、延性、破裂、材料強度不足、破断、想定外負荷、漏洩、混合流、弁、発熱、高温、機械的連鎖反応
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情報源 |
http://www.epa.gov/swercepp/tosco.pdf
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死者数 |
1 |
負傷者数 |
46 |
物的被害 |
第 3 リアクターの排出パイプに 18 インチの裂目ができた。火災により、リアクター横にあった信号機の柱が溶けた。第 3 リアクターに設置されていた階段が破損した。第 1 及び第 2 過程のリアクター周囲に設置されていた足場が歪んだ。Reactor Road 沿いにあった消火栓が破損した。ユニット付近の木製プラットフォームが焦げた。6 つのリアクターを覆うアルミ層付きの石綿保温材が焦げた。 |
社会への影響 |
事故により 1 つの苦情を受けたのみで、環境への被害は OSHA の基準を下回り、問題は生じなかった。 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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