事例名称 |
発火性ガスの流出で化学薬品工場の建物が爆発 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1997年05月08日 |
事例発生地 |
米国アーカンソー州ウエストヘレナ市 |
事例発生場所 |
A社内の倉庫 |
事例概要 |
農業用化学薬品の梱包工場で火災が発生し、建物が爆発した。 |
事象 |
農業用化学薬品の梱包工場で火災が発生した結果、建物が爆発し、有毒物質が河川に流出した。 |
経過 |
アジノホスメチルを運搬したトラックの運転手は、荷台の外からでも悪臭がしたと言う。アジノホスメチルは新しい倉庫の北にある壁面に接して 2 ~ 3 段重ねに積まれた。荷降ろしをしていた作業員も悪臭に気が付いたと言う。作業員は北にある壁辺りに 20 ~ 30 ポンドの Alliatte Signature が漏れ出しているのを発見し、掃除した。昼休み後に主任がコンプレッサーのパイプからアジノホスメチルの臭気を放つ黄色い煙が出ているのを発見した。消火器を持って、倉庫を順番に回るが、火気は発見出来ず、煙のあった倉庫に戻るが濃い煙のため、中には入れず、消火器を置いて避難。消防署に連絡し、倉庫の換気扇を回し、コンプレッサーの電源を切った。消防員が対処している間に火の手が上がり、爆発が起こった。 |
原因 |
アジノホスメチルの袋が腐蝕していたため、発火性のガスが流出し、近くにあった圧縮機の排出管の熱により発火。 |
対処 |
濃い煙を発見した時点で消防局、救急病院、警察署に連絡。学校及びラジオ局にも通報した。また、化学薬品企業数社に技術指導を要請した。 |
対策 |
付近に住む数百人の住民が避難、汚染により河川は閉鎖された。 |
知識化 |
倉庫内のパイプが熱される危険、及び、異なる薬品を同一の倉庫に収納する事についての危険を考慮するべきだった。 |
背景 |
事故の起こった倉庫は新しく増築されたものであったが、パイプの危険性は考慮して建設されていなかった。薬品の取扱い及び貯蔵について、規定の手順は設けられていなかった。作業員はアジノホスメチルの危険性及び性質を十分に理解していなかった。 |
後日談 |
死傷者は爆発によるもので、全員が消防員であった。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、危険物取扱い対策、無知、知識不足、過去情報不足、教育・訓練不足、アジンホスメチル、不良現象、化学現象、有毒ガス、発火、物質間反応、爆発、汚染、発熱、高温、建設
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情報源 |
http://www.epa.gov/swercepp/bps_full.pdf
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死者数 |
3 |
負傷者数 |
17 |
物的被害 |
倉庫が全焼した。 |
社会への影響 |
地下水などへの汚染は最小限のものだった。長期的な健康への害は無いとされた。 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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