事例名称 |
製油所のタンクが爆発し5人が死亡する。 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1995年10月16日 |
事例発生地 |
アメリカ、ペンシルバニア州ローズビル |
事例発生場所 |
A製油所 |
事例概要 |
ペンシルバニア州ローズビルにあるA会社の製油所で、廃棄用液体が収容されているタンクが引火し、爆発と火災が発生。従業員5人が死亡、1人が怪我をした。 |
事象 |
ペンシルバニア州ローズビルにあるA会社の製油所で、ナフサと燃料油を収容しているタンクが次々に引火、数次による爆発を引き起こし、黒い煙が付近を覆った。この事故で、工場の従業員、ローズビルの住人、そして工場付近の学校が避難。火は約2時間後に消火されたが、火災により5人の従業員が死亡し、1人が怪我をした。 |
経過 |
午前10時15分頃、ペンシルバニア州ローズビルにあるA会社の製油所No.1で爆発と火災が発生した。最初の爆発発生後、建設工事中の現場、貯蔵トレーラー、貯蔵タンクなど製油所の広範囲に渡って火が広がり、ナフサと燃料油を収容している貯蔵タンクが次々に引火した。数次による爆発により、工場の破片が柵を越えて飛び散り、黒い煙が付近を覆った。この事故により、工場の従業員、ローズビルの住人、そして工場付近の学校が避難した。火は午後12時30分に消火されたが、火災により3人の従業員が死亡、3人が怪我をした。怪我をした3人のうち2人は後に死亡した。 |
原因 |
事故当時、炭化水素と水の混合物である廃棄用液体が収容されているタンク487と488の溶接工事が行われていた。火災を引き起こした直接の原因は、タンク487の中の可燃性気体が引火したためとされている。その正確な作用は判明していないが、タンク487から放出された可燃性の気体が何らかの発火要因により引火し、タンク内の液体が引火した、または溶接作業で発生した放電によりタンク487内の可燃性気体が引火した疑いが強い。貯蔵タンク487の可燃性物質が引火した際、タンク内の圧力が急速に上昇し爆発、タンクの底の接ぎあて部分が外れて内容物が流出した。そして燃焼している液体が隣接していたタンク488に引火、タンク487と同様にタンク488も圧力上昇により爆発し、底が外れて内容物が流出した。これら2個のタンクにリザーバータンクが設置されていなかったため、火が即座に製油所全域に広がった。 |
対策 |
当事故後、環境保護庁より高温や熱を伴う作業の見直しを施すよう忠告された。 |
知識化 |
危険物資の取り扱いにおいて、安全対策を怠ってはいけない。 |
背景 |
不明。 |
データベース登録の 動機 |
こちらも危険物資の取り扱いにおいて安全対策を怠った事例であるため。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、危険物取扱い対策、不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、不良現象、化学現象、発火、爆発、機械的連鎖反応、手順、建設
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情報源 |
http://www.epa.gov/swercepp/pubs/pennzoil.pdf
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死者数 |
5 |
負傷者数 |
1 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ユリエローディ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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