失敗事例

シナリオ
事例名称 遊園地で空中回転式の乗物が墜落
代表図
事例発生日付 2001年07月30日
事例発生地 米国ミシガン州マスケゴン市
事例発生場所 B遊園地
事例概要 遊園地にある回転式の乗物の回転部が軸から外れて落下し、乗客が宙吊りとなった。
事象 B 遊園地にある Chaos ライドは円盤の周りに 2 人掛けのブースが 18 個付いており、円盤が水平方向に回転しながら吊り上げられ、次第に垂直に傾斜する仕組みの乗物である。乗客 36 人を乗せた Chaos ライドの円盤回転部が円盤の吊り上げ部分から外れて地面に落下し、乗客を乗せたブースが空中に宙吊りとなった。
経過 乗客 36 人を乗せて Chaos ライドが運転された。円盤が水平方向に回転しながら吊り上げられ、垂直に傾斜したところ、円盤が軸から外れ、円盤部が落下して、垂直になったままで停止した。乗客の内、数名は横倒しに宙吊りとなり、7 つの座席ブースが地上の通路に激突した。乗客の内31人が病院で手当てを受けた。その内、地面に激突した座席に搭乗していた 3 人が脳震盪などの重傷のために入院した。
原因 乗物の円盤の中心軸にあるハブキャップに使用されていたネジに欠陥があった。
対処 クレーン車を使用して、3 時間に渡る作業で宙吊りになった円盤部を固定し、2 時間に渡って果物の採集機器 (はしご車) を使用して乗客を救出した。Consumer & Industry Services は事故原因を調査するために、事故のあった部品を押収して研究所に送った。
対策 遊園地の経営企業であるA社は、事故直後に同社が所有する他の遊園地に通達し、Chaos ライドの運用を禁止した。事故にあった Chaos ライドと同種の乗物の運用を全面禁止した。
知識化 2001 年に新聞やニュースで取り上げられた遊園地の乗物による事故は 22 件となり、2001 年はこれまでで最も死傷者が多かった。現在、遊園地の乗物に関連した事故は、法律によって、政府の安全委員会が調査できないように規定されているが、事故を減らして安全対策を強化するべく、法律をもって、原因究明及びデータの取得を行うシステムが必要だ。
背景 世界各国の遊園地では、52 の Chaos ライドが運用されている。
後日談 Chaos ライドの製造元である B社 は 2001 年 11 月に会社の破産申告を提出した。また、同社は遊園地に対し、Chaos ライドの円盤の中心軸にあるハブキャップに潜在的な欠陥があることを通達した。
当事者ヒアリング 目撃者、Derek Case 「物凄い勢いで円盤部が地面に墜落した。」
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、安全対策不足、無知、知識不足、規格不良、組織運営不良、管理不良、取付け部品、欠陥
情報源 http://members.aol.com/rides911/2001.htm#aug3
http://cis.state.mi.us/media/press/01press/01aug/8_10.htm
http://www.ultimaterollercoaster.com/news/archives/july01/stories/
073101_02.shtml
http://www.usatoday.com/life/travel/leisure/2001/2001-08-10-rides.htm
http://detnews.com/2001/metro/0108/01/-258473.htm
http://www.cnn.com/2001/US/07/30/amusement.park.accident/
http://www.wwmtnews3.com/News3-2001/archives/20011120.htm
http://server.firehouse.com/news/2001/7/31_APamusement.html
http://detnews.com/2001/metro/0108/01/-258473.htm
http://www.firehouse.com/ems/news/01/10/15_FHpark.html
http://www.clickondetroit.com/det/news/stories/news-89655920010730
-190707.html
死者数 0
負傷者数 26
物的被害 Chaos ライドが破損した。
分野 機械
データ作成者 ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
シナリオ