事例名称 |
ルート69橋が完成目前に崩壊し作業者が川に転落 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1995年05月16日 |
事例発生地 |
アメリカ、テネシー州クリフトン |
事例発生場所 |
テネシー州立ルート69橋 |
事例概要 |
建設中のテネシー州立ルート69橋が重圧で崩壊し、テネシー川に倒れこんだ。橋で作業をしていた3人の鉄工員が川に落ち、うち1人が溺れたが5日後に回復した。 |
事象 |
長さ1200フィート高さ80フィートのテネシー州立ルート69橋が建設中に、銅鉄製の2つの径間(わたりま)が突然崩れ、テネシー川に倒れこんだ。橋で作業をしていた3人の鉄工員が川に落ち、うち1人が溺れたが5日後に回復した。橋は同年6月に完成予定だった。 |
経過 |
事故当時、3人の鉄工員が3本の桁(けた)のうち真中と端の桁を結ぶ端対傾構(たんたいけいこう)の取り付けを行っていた。幾つかの端対傾構は取り付けが困難で、部分的にボルトで留めているだけものが存在していた。そして鉄工員が、端対傾構のひとつが損傷しているのを発見、その端対傾構を取り外して暫く経った午前9時45分頃、橋の上部構造が崩れ落ちた。 |
原因 |
直接の原因は、建設中の橋にかけられた重圧で崩れたようであるが、事後の調査の結果、以下の問題が発見された。 -端対傾構がボルトで部分的に留められていた -ボルトと穴の適合問題により、調整された穴が既存の穴に隣接して補強材に空いていた、また穴をたくさん空けるか、新たな穴をあけないとボルトがとまらないというずれがあったことが発見された。 |
対処 |
川の交通の再開を優先して崩れた橋の除去作業が緊急に行われた。まず、ダイバーが水深40フィートの深さまで潜り、崩れた構造物の調査を行った。その後、重い大梁を除去できるくらいの大きさに切断するため直線上の爆破方法が施された。除去作業は同年7月に終了、現場捜査は8月に完了。除去された金属調査は翌年の初頭に完了した。 |
知識化 |
建築物の建設中にずれが生じたら、慎重に回避しないと崩壊につながる。 |
背景 |
不明。 |
データベース登録の 動機 |
重要な建造物の一つである橋の建設における事故を紹介したかった。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、規格不良、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、崩壊、構造の問題、建設
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情報源 |
http://seatec.etsu.edu/cet/wje/wje-TOC.htm
http://seatec.etsu.edu/cet/entry.htm
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
1 |
物的被害 |
橋の建設費用990万ドル |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ユリエローディ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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