事例名称 |
急カーブを曲がりきれず乗客バスが崖から転落 |
代表図 |
|
事例発生日付 |
2001年11月03日 |
事例発生地 |
カシミール、スリナガル,インド |
事例発生場所 |
スリナガルの 40km 北にある Sumbhal 町付近の Saderkote の丘 |
事例概要 |
乗客を乗せたバスが、スリナガルの 40km 北にある Sumbhal 町付近の Saderkote の丘で急カーブを曲がり切れず、崖から転落した(図2)。そこでは事故の2日前から雨や雪が降り続き、路面が滑りやすくなっていた。 |
事象 |
雪の中、スリナガルの 40km 北にある Sumbhal 町付近の Saderkote の山道を走る乗客を乗せたバスが、急カーブを曲がり切れず、崖から転落した。 |
経過 |
事故の 2 日前から雨と雪が降り続いていた。幹道を Kargil に向けて運行するバスが Saderkote の丘にある急なカーブを曲がろうとしたが、曲がり切れず、崖から転落した。 |
原因 |
2 日間に渡って雨と雪が降り続いたため、路面が滑り易くなっていた。 |
対処 |
救助に当たるが、暴雪により救助が難航した。負傷者は一旦 Barmulla にある病院に運ばれ、重傷者はそこからより設備の整った スリナガル の病院に移動された。 |
対策 |
雪のため幹道は 4 月まで閉鎖された。 |
知識化 |
バスの運転手にとっては毎日通る慣れた道であったのかもしれない。毎日していることでも、わずかな状況の変化により、危険度が増す可能性がある。また、事故が次々と起こる場合には、一件の事故のみでなく全体像を見て、対応を行う必要がある。 |
背景 |
インドでは毎年75000件もの路上事故が発生しており、道路上での安全基準が非常に低いといわれている。同年の3月にもSimlaでバスが川に落ち、40名が死亡している。多くの人々がバスを主な交通機関として利用しているが、インドのハイウェイの半分以上が舗装されていない。雪の降る山道での走行は非常に危険であるが、他に交通手段がない場合には、バスを利用せざるおえなかったと思われる。 |
後日談 |
2002年1月9日にもSuratで公共のバスとトラックの衝突事故が起こり、26名が即死、32名が負傷した。 |
よもやま話 |
カシミールはインドでも最北地点で、中国、アフガニスタン、パキスタンに囲まれた地域である。スリナガルはカシミールの夏のキャピタル、夏のパラダイス等と言われており、夏は約7~30度という気候に恵まれているが、冬には0度以下にもなる。交通面においては、インドは道路安全基準が非常に低いと言われており、毎年75000件もの路上事故が発生している。アメリカやその他の国から夏期留学などでインドに行った生徒たちも、数々の事故を目撃したり、また事故に巻き込まれて帰らぬ人となってしまったケースも少なくない。 |
当事者ヒアリング |
インド政府の官僚 「山道に雪が深く積もっており、車両の乗り入れは危険だ。」 |
データベース登録の 動機 |
インドというと暑い国という印象が強かったが、このように北部では雪も降り、山岳地帯では雪の影響でこのような事故も起きていることを知らせたかった。また、インドでのバス事故をよく聞くため。 |
シナリオ |
主シナリオ
|
調査・検討の不足、事前検討不足、安全対策不足、不注意、注意・用心不足、作業のなれ、環境変化への対応不良、使用環境変化、自然的条件変化、天候変化、不安定
|
|
情報源 |
http://www.dawn.com/2001/11/04/int8.htm
http://www.saraswish.org/Sara_Schewe.htm
http://in.news.yahoo.com/020109/64/1d6fo.html
|
死者数 |
22 |
負傷者数 |
30 |
物的被害 |
バスが大破した。 |
社会への影響 |
幹道が 4 月まで閉鎖された。 |
マルチメディアファイル |
図2.乗客バスの転落事故
|
備考 |
数名が行方不明。 |
分野 |
機械
|
データ作成者 |
ケイコオオクシ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
|