失敗事例

事例名称 ワイナリーのテラスが崩壊し多数が負傷
代表図
事例発生日付 2000年07月01日
事例発生地 アメリカ、オハイオ州エリー湖諸島
事例発生場所 Rワイナリー
事例概要 オハイオ州エリー湖諸島のRワイナリーで、テラスが崩壊し、20フィート下のワイン貯蔵庫に崩れ落ち、1人が死亡、74人が負傷した。原因はテラスの構造上に問題があった可能性が高い。
事象 オハイオ州エリー湖諸島のRワイナリーで、本館の厚さ4フィートのコンクリートテラスが20フィート下のワイン貯蔵庫に崩れ落ち、1人が死亡し、75人が骨折、打撲などの負傷を負う事故が起きた。
経過 事故は土曜日の午後4時50分にエリー湖諸島の中央バス島で発生。中央バス島は、オハイオ州の本土から約8マイル離れたところに位置し、人口は約40人と言う小さな島である。事故当時、約2000人が週末のワイナリーを賑わしていて、約100人がテラス上にいた。負傷した75人のうち29人が病院に運ばれ、8人が重傷、うち1人が肺の破裂により重態。死亡したのは、オハイオ州在住の29歳の男性、Mさんで死因は脳損傷によるものと判明。この事故により25x20フィートのテラスの床に直径約18フィートの穴が開いた。事故のあったワイナリーのテラスは、1964年に建設され、その後いつ検査されたかは不明。
原因 構造技術者による崩れた床のコンクリート材とスチールの金属材の調査結果によると、テラスの崩壊は、予想以上の人数による重圧の負担からではなく、床の構造上に問題があった可能性が報告されている。
対処 救急隊は事後、10分以内に現場に到着し、諸島内にいた4,5人の医者がすぐにかけつけた。重傷者はヘリコプターで、その他の負傷者はボートで病院に運ばれた。
対策 構造物は定期的な検査が必要。
背景 不明。
後日談 事後、州がRワイナリーを675万ドルで買収し、跡地に公園が建設される予定。また、当事故で死亡したMさんの遺族が、翌年の11月、ワイナリーを所有するP蒸留酒製造会社を提訴したが、その後すぐに和解が成立した模様。詳細は報告されていない。そして、P社に対する他40件の民事訴訟が現在まだ進行中である。(2001年11月記事)
データベース登録の
動機
週末のワイナリーで死亡事故が起きた事例を紹介したかった。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、安全対策不足、調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、誤判断、誤った理解、概念立案ミス、建設的要因、崩壊、構造の問題
情報源 http://www.amarillonet.com/stories/070300/usn_LA0529.shtml
死者数 1
負傷者数 75
全経済損失 州がRワイナリーの跡地を675万ドルで買収。
分野 機械
データ作成者 ユリエローディ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)