事例名称 |
A社航空墜落事故 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2002年05月25日 |
事例発生地 |
台湾、台湾海峡澎湖諸島付近 |
事例発生場所 |
海上 |
事例概要 |
2002年5月25日、台湾海峡澎湖諸島付近海上で乗客225人を乗せたA社航空A便が管制レーダーから機影が消え墜落、全員死亡した。 |
事象 |
台北から香港に向かって飛行していた台湾のA社航空A便(B社製B型機、乗客206人、乗員19人)が、現地時間25日の午後3時33分頃、台湾海峡の澎湖諸島付近の海上に墜落した。 |
経過 |
台湾交通部の民用航空局によると、同機は午後3時8分に中正(台北)国際空港を離陸、19分後、高度3万5000フィート(約1万メートル)を飛行中に澎湖諸島北東10カイリ付近で消息を絶った。乗員からは救難信号等の緊急状態を示すような連絡はなんらなく、故障など墜落につながる原因は伝えられていない。同機は管制が台湾から香港に移譲される空域で遭難しており、香港の管制官が交信しようとしたときには連絡が取れなかったという。同機は突然、管制レーダーから消えたという。天候は曇りで航行に影響はなかった。近くを飛行していたB社航空機2機が、午後3時37分と40分の2回、墜落した飛行機から自動的に発信される墜落地点を示す信号を受信し、機長が航空管制官に報告した。さらに、地元有線テレビによると、墜落現場近くの海域で釣りをしていた人が墜落時刻ごろ、大きな爆発音を聞いたという。同機の飛行ルートの東側に当たり、事故海域の北東約100キロに位置する台湾中部の彰化県では25日午後5時過ぎから、機体の緩衝材や機内誌の破片が次々と落下するのを住民が目撃、回収している。 |
原因 |
事故原因を調査している飛行安全委員会は収容された遺体の損傷が少ない、焼跡のある機体の残骸がないことなどから事故機は爆発ではなく、一瞬のうちに空中分解した可能性が極めて高いと指摘している。 |
対処 |
台湾の空軍機などが現場海域に出動、捜索にあたった結果、同機のものとみられる残骸や救命胴衣などが発見され、付近には大量の油が漂っているのが確認された。 |
知識化 |
点検予定されていた飛行機を臨時で飛ばしてしまうというずさんな管理体制を一から見直す必要性がある。 |
後日談 |
事故機は製造から23年近くが経過し、総飛行時間は6万5,000時間を超えていた。この日、予定された機材が別の路線に転用されたため、売却のための点検を予定していた同機を臨時で使用したとの報道もある。同機は、同日の運航を最後に、他の国のチャター航空会社、C社へ売却、6月20日には引き渡されることが決まっていた。 |
よもやま話 |
A社航空は1994年4月に名古屋空港で着陸に失敗して墜落炎上、264人の死亡者をだしている。更に、1998年2月には台湾の中正国際空港で墜落、202人が死亡する事故を起こしている。4月から東京での発着が羽田空港から成田空港に移転したのを機に、A社航空は日本での名称表記を、Aエアラインに変更している。 |
当事者ヒアリング |
A社航空の魏社長は地元メディアに対し、収容された遺体の多くはさほど損傷しておらず、空中で爆発した可能性は少ないと思う。むしろ機体が、何らかの理由で空中分解した後、墜落した可能性が高いと語った。 |
シナリオ |
主シナリオ
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組織運営不良、運営の硬直化、品管制度不備、非定常行為、変更、手順変更、破損、劣化、破損、大規模破損、墜落
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情報源 |
http://www.melma.com/mag/79/m00031379/a00000097.html
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/868742/928689d88dq8bf3814092c4978e81402002-0-1.html
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/868745/928689d88dq8bf3814092c4978e81402002-0-1.html
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死者数 |
225 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ユミコホンマ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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