事例名称 |
車輪脱落によるA社SUV転倒事故 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1992年06月07日 |
事例発生地 |
ベネズエラ、ニルグア |
事例発生場所 |
車道 |
事例概要 |
ベネズエラで、1996年型A社のSUVが、カーブの途中、突然左後ろの車輪が外れ、車はバランスを失い、転倒。乗車していた2人が死亡、2人が重傷を負った。直ちに事故調査が行われ、車輪の脱落は、車軸の先端の破損が原因である事が明らかになった。 |
事象 |
1996年、ベネズエラ、バレンシア方面に向かって運転していた1996年型A社SUVが、ニルグア付近のカーブの途中で、突然車輪が脱落。バランスを失った車は、横滑りしながら道路脇の排水溝に落ち、もの凄い勢いで転倒した。この転倒により、運転手の両親2人が死亡、運転手とその妻も重傷を負った。 |
経過 |
1996年6月8日午前10時、ベネズエラにて、1996年型A社SUVスポーツタイプ、走行距離12,000キロメートルがバレンシアに向かっている途中、ニルグア付近のカーブで、突然、左後ろの車輪が脱落。車はバランスを失い操縦不可能になり、横滑りを起こしながら、道路脇にある排水溝に落ち、ひっくり返った。この事故により、同乗していた運転手の両親2人が死亡、運転手とその妻は重傷を負った。直ちに輸送当局管轄のもとで事故の徹底調査が行われた。 |
原因 |
事故の原因は、運転手、道路状況、車の欠陥等にわたり徹底的に調査された。その結果、左後ろの車輪が外れたのは、車軸先端ベアリングの欠損から車軸が割れた事によるものという事が明らかになった。この車は、買ったばかりで、まだ製造保証期間内であり、過去に衝突などの損傷を全く受けていないにも関らず、車軸が欠損している事で、欠損の原因は、製造過程かディーラーによって売られる時に破損したとされた。 |
対処 |
警察等が駆け付け救助したが、2人は死亡、2人は重傷を負っていたため、病院へと運ばれたが危険な状態だった。直ちに輸送当局が介入し、事故の法的原因調査が開始された。 |
対策 |
何故車軸に割れ目が生じたかの原因を追求し、製造工程のどの過程で、何が原因で、割れ目ができたのかを明らかにしてから、製造工程の落ち度を見直す事が必要である。また、製造の品質管理手順の徹底は、今後の重要課題である。 |
知識化 |
自動車メーカーにとって、欠陥車はイメージダウンだが、それを認めないのは更に消費者の不信をあおるだけのように感じる。 |
背景 |
事故現場付近は、天候も良好で、視界も良く、アスファルトも乾いている状態だった。また運転手は、飲酒の疑いもなく、スピードも規定以下速度を守っており、運転熟練しており、安全運転だった事から、裁判所は、運転手の責任ではないとした。 |
後日談 |
A社ベネズエラにディーラーを通じて、事故の調査結果を提出したが、返事は戻ってこなかった。後に、A社は、事態を明らかにし、その責任を取るよう告訴された。 |
よもやま話 |
欠陥車防止キャンペーンとして、A社製車の類似した事故の情報をインターネットによって集める活動が開始された。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、企画不良、戦略・企画不良、試験計画不良、使用、運転・使用、車輪、ベアリング、破損、破壊・損傷、材料強度不足、破断、動作不能、身体的被害、死亡
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情報源 |
http://www.wam.umd.edu/~gluckman/Chrysler/AI/JeepAccident.html
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死者数 |
2 |
負傷者数 |
2 |
物的被害 |
車輌1台 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
マユミビンクス (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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