| 事例名称 |
バス転落事故 24人死亡 |
| 代表図 |
|
| 事例発生日付 |
2002年09月28日 |
| 事例発生地 |
南アフリカ イースタンケープ州 セイモア |
| 事例発生場所 |
ニコマラン峠 |
| 事例概要 |
クイーンズタウンを出発しアリスに向けて走行中のバスがイースタンケープ州のセイモア付近のニコマラン峠で、転落事故をおこした。事故当日乗客は75人。うち24人の死亡が確認され、52人が重軽傷を負い病院へ運ばれた。事故原因は、生存者の証言等からバスのブレーキの不具合が疑われており調査が進められている。 |
| 事象 |
乗客75人を乗せたバスがクイーンズタウンを出発しアリスに向けて走行中イースタンケープ州のセイモア付近のニコマラン峠で転落事故を起こし、24人が死亡、52人が重軽傷を負い病院へ運ばれた。転落したバスは破損がひどく、事故後調査のためフォートボーフォート警察署に収用された。生存者の証言、その他の状況から、バスのブレーキに何らかの故障があったとの見方が強く調査が進められている。被害者となった乗客はルブバロダンスクワイアのメンバーで、音楽祭に参加するため会場となるアリスのフォートヘア大学に向かうところだった。 |
| 経過 |
2002年9月28日早朝、クイーンズタウンを出発しアリスへ向けて走行中のバスがイースタンケープ州のセイモアのニコマラン峠にさしかかった時、道をそれて山腹へ回転しながら転落した。携帯電話からの連絡をうけた地元警察ははっきりとした場所が特定できなかったため、セイモア方面へ車を走らせ転落したバスを発見。その後、多数の救援部隊がグラハムズタウン、クイーンズタウン、フォートボーフォート、アデレイド、アリス、イーストロンドンから現場へ急行。非番の医師や看護士、ボランティアのレスキュー隊なども現場で救助活動にあたった。事故当日、乗客の数は75人。転落したバスから投げ出されバスの下敷きになるなどして24人が死亡、52人が重軽傷を負い病院へ運ばれた。バスは事故原因の調査のためフォートボーフォート警察署に収用された。事故直後から専門家による自己分析が行われているが、ドライバーや生存者の証言からバスのブレーキに何らかの故障がおき事故を引き起こしたものと思われる。バスにはルブバロダンスクワイアーのメンバーが乗っており、フォートヘア大学で開催される音楽祭に参加するためにアリスに向かう途中の事故だった。 |
| 原因 |
事故を起こしたバスはA社製の65人乗り仕様。事故直後から機械の故障による事故であるとささやかれており、専門家やプレトリアから派遣された機械エンジニアがバスの残骸から機械の故障が事故を起こしたのかを調査。また、B社のB氏も足回り、ステアリングシステム、ブレーキを含めバスの機械の状態が事故現場付近の道路上の使用に適していたか、車体の傷などが事故前からあったものか事故の時のものかなどを調査した。そして生存者とドライバーの証言から、バスのブレーキになんらかの不具合が生じ、さらにスピードもでていたことがドライバーが険しい山道での運転のコントロールを失い、道からはずれ山腹への転落の原因になったと思われる。 |
| 対処 |
事故後、地元だけでなく近隣（グラハムズタウン、クイーンズタウン、フォートボーフォート、アデレイド、アリス、イーストロンドン）の救援部隊に加え、ボランティアのレスキュー隊、非番の医師や看護士が救助活動を行った。 |
| 対策 |
バスのオーナーが事故の原因調査に乗り出すと同時に、ストファイル イースタンケープ州知事も政府をあげて事故調査を徹底的に行い、これ以上このような事故が起きないように原因究明すると発表した。 |
| 知識化 |
機械の調子をチェックすることはもちろん、ドライバーも何人もの乗客に対して責任があるので、その運転技術を過信することなく、道路状況の確認など最大の注意を払うことが必要。 |
| 背景 |
オーナーはバスを運行させる前に点検をしていたこと、これまで事故を起こしたそのバスは機械の故障を起こしたことが一度もなかったことを主張した。 |
| 後日談 |
事故原因の調査が進むなか、ドライバーとバスのオーナーは近く24人の犠牲者に対する過失殺人の容疑で起訴されることが報じられた。 |
| よもやま話 |
この事故前の数ヶ月間にもクイーンズタウン、セイモア間で事故が起こっており、この事故の犠牲者を含め死者は44人にものぼる。7月にはセイモア付近を走行中のバスが動物をはねて炎上、18人が焼死した事故が起こっている。 |
データベース登録の
動機 |
乗客を乗せて運行するバスを所有、運営する側（オーナー、会社）と運転に従事する人たちの『責任』について考えるいい機会になると思うから。 |
| シナリオ |
| 主シナリオ
|
調査・検討の不足、事前検討不足、審査・見直し不足、企画不良、戦略・企画不良、試験計画不良、不注意、注意・用心不足、保守時の不注意、使用、運転・使用、ブレーキ、破損、破壊・損傷、破断、動作不能、身体的被害、死亡
|
|
| 情報源 |
http://www.sabcnews.com/politics/the_provinces/0,1009,44269,00.html
http://www.dispatch.co.za/2002/09/30/easterncape/AASTOF.HTM
|
| 死者数 |
24 |
| 負傷者数 |
52 |
| 物的被害 |
65人乗りバス一台 |
| 分野 |
機械
|
| データ作成者 |
ジュンコイノウエ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
|
