事例名称 |
A社航空離陸に失敗、炎上 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2000年10月31日 |
事例発生地 |
台湾, 台北 |
事例発生場所 |
台北国際空港 |
事例概要 |
2000年10月31日夕方、台風が上陸していた台湾の台北国際空港からロサンゼルスに向かう179人を乗せたA社航空A便が離陸に失敗、炎上し、死亡者82名重軽傷80名を出す大惨事となった。 |
事象 |
2000年10月31日夕方、台湾国際空港からロサンゼルスに向かう179人を乗せたA社航空A便が誤った滑走路に進入、コンクリートブロックと工事用車両に衝突し機体が3つに分かれ炎上、死亡者82名重軽傷80名を出す事故が起きた。 |
経過 |
管制塔に指示された滑走路5Lの約200m隣を平行に走る改修工事中の滑走路5Rに誤って進入し、5Lにいるものと誤信したまま離陸滑走を行ったことが判明した。加速した後、前方に障害物(滑走路の閉鎖を示すコンクリートブロックや工事用車両)を視認し、回避のために即座に離陸を行ったが、コンクリートブロックに衝突してバランスを崩したまま工事用クレーン車に衝突し墜落した事故機は衝撃で大きく3つの部分に分断され激しく炎上した。火災は事故後約45分で鎮火したが、機首部がほぼ全焼した。 |
原因 |
台湾主導の調査団によると台風による豪雨などによるプレッシャーなどがパイロットらの判断力を低下させ,工事中の滑走路に誤って進入したことが原因とみられている。 |
対処 |
パイロットは誤進入に気づき、回避の為離陸した。 |
対策 |
パイロットへの台風時などに備えるシュミレーション運転の訓練とともに、空港内の安全重視の整備が求められる。 |
知識化 |
悪条件が重なっておきた人的事故だが人命を預かる任務に携わるものはありとあらゆる状況を想定して事故を防ぐ訓練を受ける必要がある。 |
背景 |
空港内の工事中の右滑走路が物理的に閉鎖されておらず進入が可能だった。 |
後日談 |
シンガポール運輸省が中心となり独自の調査を行い、右滑走路の誘導灯の点灯等滑走路の標識や照明等の不備、右滑走路への進入路が閉鎖されていなかったことなど、空港側の不備を指摘し、単独の要因ではなく、システム等の不備を含む切り離すことの出来ない多くの要因によって引き起こされた旨の主張を行った。 |
よもやま話 |
今回の事故はA社航空の運行28年の歴史の中で初のパイロットによる運転ミスで死者を出した。 |
当事者ヒアリング |
台湾の通信情報大臣のYeo Cheow氏は「この事故の調査を完全に終えるのに1年は必要だ」と述べた。 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、手順の不遵守、連絡不足、操作手順無視、誤判断、状況に対する誤判断、使用、運転・使用、手順、定常動作、不注意動作、非定常操作、緊急操作、進路変更、非定常動作、状況変化時動作、破損、大規模破損、衝突、全焼、身体的被害、死亡
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情報源 |
http://www.chinadaily.com.cn/highlights/singapore/
http://www.taiwan.com.au/Soccul/Services/SIA/2001/0505.html
http://www004.upp.so-net.ne.jp/civil_aviation/cadb/wadr/accident/20001031a.htm
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死者数 |
82 |
負傷者数 |
80 |
物的被害 |
飛行機,コンクリートブロック,工事用クレーン車 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ユミコホンマ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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