事例名称 |
A社航空A便、B社製B型プロペラ機、エンジン故障でマニラ湾へ墜落 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2002年11月11日 |
事例発生地 |
フィリピン、マニラ、マニラ湾 |
事例発生場所 |
マニラ国際空港の近辺のマニラ湾 |
事例概要 |
2002年11月11日午前6時頃にマニラ国際空港を離陸したA社航空A便(B社製B型プロペラ機)は、約3分後にエンジンの支障のために空港に引き返そうとしたが、滑走路手前約1kmの地点でマニラ湾に墜落した。 |
事象 |
2002年11月11日午前6時10分頃、フィリピン・マニラ発同国北イロコス州ラオアグ経由ボスコ行きA社航空A便、B社製B型プロペラ機がマニラ国際空港を離陸約3分後にマニラ湾に墜落した。この事故で乗員5名、乗客29名、計34名のうち乗員1名、乗客18名、計19名が死亡した。 |
経過 |
事故機は午前6時7分にマニラ国際空港から北イロコス州ラワグ経由でボスコに向かって出発。離陸後、通常とは異なるエンジン音が左エンジンから発し、また煙も出ていた。機長は衝撃防止姿勢をとるように機内アナウンスをながした。エンジントラブルのため緊急事態を宣言し空港に引き返そうとしたが、高度不足のため不時着水を決行した。機体は左に傾いて滑走路の手前約1Kmの海上に墜落した。墜落の衝撃で機体は大きく2つに割れ、そのまま水深約20mの海底に沈んだ。墜落後すぐに客室は海水で満たされた。複数の漁船が駆けつけ多くの人命を救った。生存者には機長と副操縦士が含まれていた。シートベルトをしたままの状態で発見された人々もいた。 |
原因 |
左エンジンの故障。さらに偶然とられたビデオ撮影によると、右プロペラも回っていなかったとも伝えられている。 |
対処 |
エンジンに問題があることを知った機長は緊急事態を宣言し、空港に引き返そうとした。乗客に衝撃防止姿勢をとるよう指示をだした。墜落後、周囲の漁船などが生存者救助に向かった。 |
対策 |
同航空会社の4機のB社製B型プロペラ機は、念のために安全確認を行うまで飛行を中止した。事故の原因の調査を始めた。 |
知識化 |
点検を軽んじると事故に遭遇する可能性が高くなる。綿密な点検と適切な故障に対する対応を行わないと、取り返しのつかない事故を招くことがある。 |
背景 |
墜落したのはB社製B型プロペラ機で、1978年に製造された。離陸直後にエンジンが異常な音を発し、煙を出すというのは、出発前の点検が充分に行われていたかどうかが疑われる。 |
後日談 |
事故のニュースがテレビで放送された際に、事故機が水中に沈んでいく状況が表示された。その時、浮かんでくる機材などはほとんど無かったという。 |
よもやま話 |
同月6日には同じくB社製のC社航空B2型旅客機がルクセンブルク首都近郊でベルリンからルクセンブルクに向かっていた際に墜落。ロイター通信によると、乗客・乗員計22人のうち、18人が死亡した。現場は空港の5、6キロ手前で、当時、深い霧に包まれていたとみられる。 |
当事者ヒアリング |
フィリピンの航空局長A氏は「離陸後に水上不時着した。パワーを失ったためかどうかはまだ分からないが、片方の翼が水中に入っていたようだった。」と事故後のインタビューで語った。 |
データベース登録の 動機 |
飛行機事故を最近よく耳にするが、どのように事故が起こり、どうすれば再発を防ぐことができるのかを、人々に考えてもらいたいと感じた。 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、保守時の不注意、使用、運転・使用、エンジン、定常動作、誤動作、非定常操作、緊急操作、進路変更、非定常操作、緊急操作、停止、緊急停止、身体的被害、死亡
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情報源 |
http://www004.upp.so-net.ne.jp/civil_aviation/cadb/wadr/accident/20021111a.htm
http://www.pilotinterviews.com/UpdateDetail.asp?UpdateID=611
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死者数 |
19 |
負傷者数 |
15 |
物的被害 |
飛行機一機、乗客の持ち物 |
社会への影響 |
飛行機利用者に不安を与えた。被害者の家族や友人に大きな悲しみを与えた。 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
タカミハマダニ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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