事例名称 |
ボストン市内で爆発による火災発生で建物倒壊 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1998年08月26日 |
事例発生地 |
マサチューセッツ州 ボストン |
事例発生場所 |
アシュトン通り |
事例概要 |
マサチューセッツ州 ボストン市内のアパートが建ち並ぶ通りで突然爆発が起こり、それに伴って3階建てアパートで火災が発生。地元の消防隊が消火活動にあたったが、その後アパートは倒壊。住人は怪我を負い、付近一帯は混乱に陥った。被害者は18人、うち1人は重体で、損害額は75万ドルと報告された。 |
事象 |
マサチューセッツ州 ボストン市内の1900年代初めに建てられたアパートが立ち並ぶその一画で、突然衝撃音があがり火災が発生した。非常要請を受けた地元消防隊が消火活動にあたり、救急医療班と警察が被害者の対応にあたった。火災はひどく、消火活動は困難を極め、アパート周辺が混乱するなか3階建てアパートは倒壊した。その後も瓦礫の山となったアパートは燃え続け、消防隊による消火活動は7時間にも及んだ。被害者は消防隊3人を含む18人。うち1人は重体。被害総額は75万ドルにのぼると報告された。天然ガスが火災をあおった爆発事故だった。 |
経過 |
1998年8月26日の午前11時をまわったころ、マサチューセッツ州ボストン市内のアシュトン通りで爆発音があがった。地元の消防分署とはしご班が火災警報を受けて現場に向かった。火災現場となったのは古い木造3階建てアパートが数多く並ぶ一画。消防隊、はしご班が到着した時、爆発による火のあがり方はかなりのもので、ガスのにおい、煙が立ちこめ、通りには爆風で建物の破片が飛び散り、怪我をした住人、建物の3階部分に取り残された子供の叫び声などで周辺一帯は騒然としていた。救急医療班とボストン警察が被害者となった住人のケアにあたるなか、消防隊は消火活動を続けたがあまりにも火の手が大きいため、別分署の援護を要請する。そして、消防隊が生存者の確認に建物内に入ったとき、壁と天井の一部はすでに崩れかかっていたという。建物内に残された人がいないのを確認して、消防隊、はしご班もすぐに建物の外の安全なところまで下がるよう指示が出た。その直後、煙が立ち込める中、轟音を立ててアパートは倒壊した。その後も手段を講じるが火は絶えず、消防隊は7時間を消火活動に費やした。燃えている瓦礫の山を大型機械を使って解体。ようやく火が収まった。 |
原因 |
この付近一帯に並ぶアパートのキッチンに備え付けてあるコンロには天然ガスが使用されている。ボストンの古い通りの下には年代物の鋳鉄パイプが何マイルにも何十マイルにもわたって埋め込まれており、それを通ってガスは供給される。時にはそのパイプからガスが漏れることもある。爆発事故がおこる一週間程前、工事請負業者が通りを掘って新しい給水管を埋め込む作業を行い、それが天然ガスのパイプに極めて近くだったこと、近所の住人は爆発前にガスのにおいがしたと話していること、地元のガス会社はアパートにつながるガスのパイプを交換したことなどが報告されてはいる。しかし、爆発・火災をあおったものが天然ガスということ以外、点火源となったものなどははっきりと分かっていない。 |
対処 |
火災警報を受けた地元の消防分署とはしご班が現場に急行、その後別分署も加わり消火活動を行う。救急医療班とボストン警察が被害者などの対応にあたった。 |
対策 |
この事故を教訓に、建物の構造また倒壊の可能性がある建物にあたる時に備えての訓練や、ガスのにおいがするなどの通報があった時の対応の仕方をあらためて考えられるようになった。 |
知識化 |
このような住宅密集地で、なおかつ建築物やそれに付帯するものが年代を帯びているような場合はその管理をしっかりと行わなければならない。この爆発事故のようなことが起こった場合、住人のみならず、消防隊など救助にまわる人達の生命も危険にさらされることがある。消防隊などの場所に応じた対応、トレーニングも必要とされる。 |
背景 |
マサチューセッツ州ボストンは様々な文化、民族、そして多種多様な構造の建築物が混在する。アパート建築においては"3-decker"で知られており、その構造は木造3階建てで、1900年代前半に建築されたものが数多い。また、ボストンの古い町並みの下を通るガスのパイプも何十年と使われてきているもので、ガスが漏れていることもあったという。 |
後日談 |
後日、消防総監のA氏は「あの時、現場の指揮責任者の的確な判断がなかったら、何人もの消防隊員を失うことになっていただろう。」と語った。彼にとって、消防を担う人々のプロとしてのあり方を考える一方で、あらためて危険な仕事に従事する人々の『命』をも考えさせられる事故だった。 |
よもやま話 |
事故当日、消防分署の職員達は大型ごみ収集箱のなかに赤ちゃんがいるとの通報を受けて調査をしていた。結局そのような事実はなかったが、職員達が現場から署に帰ろうとしたその時に、署の置かれている方角から爆発音があがったという。 |
データベース登録の 動機 |
古い建物に住む1人としては他人事ではなく、このような事態もあるということ、そして『もしも』が起こった時それに従事する人々の命もまた危険にさらされるのだということを改めて考えさせられたから。 |
シナリオ |
主シナリオ
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価値観不良、安全意識不良、安全対策不足、危険物取扱い対策、不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、製作、ハード製作、建設的要因、建設、不良現象、化学現象、引火、天然ガス、爆発、破損、大規模破損、全焼
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情報源 |
http://www.ci.boston.ma.us/bfb/reports/explosion.htm
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
18 |
物的被害 |
木造3階建てアパート |
被害金額 |
75万ドル |
分野 |
機械
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データ作成者 |
ジュンコイノウエ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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