失敗事例

事例名称 激しい降雨中のローダーによる死亡事故
代表図
事例発生日付 2002年01月24日
事例発生地 米国、テネシー州、セビア郡、セビア・ビルから4マイル北
事例発生場所 石灰作業所の敷地内
事例概要 2002年1月24日の午前8時15分頃、カウンティー・クアリー石灰作業所で、作業をしていた一人の従業員が粉砕機から約40フィート離れた場所で倒れていたのを、他の従業員が発見。その後、近くの病院に運ばれたが死亡。この事故は、前部ローダーの作業をしていた従業員が、雨天の為視界が悪く、ローダーのバケツ部分で被害者を誤って跳ねたことにより起こった。又、被害者が積み荷を降ろす建物で作業中、雨が建物のブリキの屋根にあたり、ローダーの音が聞こえなかったことも、この事故に寄与したと見られている。
事象 2002年1月24日の午前8時15分頃、カウンティー・クアリー石灰作業所で、作業をしていた一人の従業員が粉砕機から約40フィート離れた場所で倒れていたのを、他の従業員が発見。その後、近くの病院に運ばれたが死亡。この事故は、前部ローダーの作業をしていた従業員が、雨天の為視界が悪く、ローダーのバケツ部分で被害者を誤って跳ねたことにより起こった。
経過 事故のあった日は朝から激しい雨が降り、同日午前7時半の作業開始時に、作業監督者から通常の作業が出来ない為、積み荷を降ろす置き場を空にする様にという指示が、2人の従業員(被害者を含め)に出ていた。作業開始後、前部ローダーの作業をしていた作業監督者が、積み荷置き場を通りかかった際、被害者がもう一人の従業員、A氏が普段使用しているトラックの荷積みをしているのを見、その後アスファルト・ミックスの蓄積原材場で荷積みし、ローダーに戻った。午前8時15分頃、A氏が積荷を降ろす置き場に戻り、トラックをバックでその置き場に入ろうとした際、被害者が近くの路上の狭い溝に横たわっているのを発見、他の従業員に連絡。被害者は、数分後に駆けつけた緊急隊員により、近くの病院に運ばれたが、死亡。死亡原因は、被害者が前部ローダーのバケツ部分によって跳ねられた際、内臓の損傷をおこし、それが致命傷となったと見られている。
原因 事故当日は激しい雨が降っており、作業者の視界が制限された為に、この事故は起こったと見られている。又、被害者が積み荷を降ろす建物で作業中、雨が建物のブリキの屋根にあたり、ローダーの音が聞こえなかったことも、この事故に貢献したと見られている。
対処 被害者が路上の狭い溝に横たわっているのを発見された際に、発見した従業員が他の従業員に連絡。被害者は、数分後に駆けつけた緊急隊員により、近くの病院に運ばれた。
対策 今回の様な事故を防ぐ為、雨天時には、どの様な作業が適切であるか検討される必要がある。又、雨天作業時の手順書を作り、その手順書には視界が制限されても作業が安全に行える様な、点検項目を盛り組むことも必要と思われる。
知識化 雨天時の作業は、作業員の視界を制限する為、天候が悪い時には、どの様な作業が適当であるか、検討される必要がある。又、今回のような事故を防ぐ為、雨天時には、適切と思われた作業のみを行うよう徹底するべきである。
背景 2001年10月18日にカウンティー・クアリー石灰作業所で、通常監査が終了していた。
後日談 事故当日、オーダー778781号がセクション103(K)の規定の下に今回事故を起こした石灰作業所に出され、石灰作業所が通常作業にもどれる状態になった、1月25日に解除された。
データベース登録の
動機
鉱山業は、古くからある産業なので、事故に対する首尾は万全なものと思われるので、どの様な事故が起こったのか、個人的に興味があった。
シナリオ
主シナリオ 環境変化への対応不良、使用環境変化、自然的条件変化、雨天、不注意、注意・用心不足、作業のなれ、定常動作、不注意動作、身体的被害、死亡
情報源 http://msha.gov/FATALS/2002/FTL02m05.HTM
死者数 1
分野 機械
データ作成者 ヤエココン (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)