失敗事例

事例名称 運転操作ミスによるブルドーザーでの死亡事故
代表図
事例発生日付 2002年02月09日
事例発生地 米国、ニューメキシコ州、オテロ郡、オログランド付近
事例発生場所 砂と砂利の作業工場
事例概要 2002年2月9日、A社の従業員が、ブルドーザーの刃の下に挟まれ死亡。事故の原因は、被害者が操縦席を離れる際、ギアのシフトをニュートラルの位置に入れなかった事と、駐車のブレーキをかけなかった為と見られている。
事象 2002年2月9日、A社の従業員が、ブルドーザーの刃の下に挟まれ死亡。
経過 2002年2月9日午前6時30分、今回の事故の被害者(A氏)は、工場内の機械や設備の点検サービスの為、いつもの作業開始時間より30分早く作業所に出勤。午前10時頃、被害者は、ブルドザーの作業を、他の従業員の監督下において、約30分作業を行った。その後、被害者は、一人でブルドーザー(低いギアのみ使用して)の作業を行う様指示された。その指示に従って午前中の作業は終了した。午後1時、被害者は、燃料が少ない事を示すライトが点滅した為、ブルドーザーを駐車し、ブルドーザーから降り、他の従業員に そのライトについて質問。その後、被害者は燃料タンクのある場所までブルドーザー運転、燃料を補給、作業に戻った。その後しばらくして、他の従業員が被害者が倒れているのと、同時に、被害者が使用していたブルドーザーがバックで移動しているの発見。無線で救助要員を呼び、被害者のもとに駆けつけたが、被害者は既に意識を失っていた。ブルドーザーは、第一番目のギアがバックに入って、アラームが鳴り、駐車ブレーキが入っていない状態であったので、他の駆けつけた従業員が、ブルドーザーのギアをニュートラルにし、ブレーキを入れ、機械を停止させた。
原因 事故の原因は、被害者が操縦席を離れる際、ギアのシフトをニュートラルの位置に入れなかった事と、駐車のブレーキをかけなかった為と見られている。
対処 他の従業員が被害者が倒れていると、同時に被害者が使用していた、ブルドーザーが逆方向に移動しているの発見。無線で救助要員を呼び、被害者の下に駆けつけたが、被害者は既に意識を失っていた。他の駆けつけた従業員がブルドーザーのギアをニュートラルにし、ブレーキをかけ、機械を停止させた。
対策 従業員全員に対して、機械や設備の操縦席を離れる際の適切な作業手順を確立し、トレーニングを行った。
知識化 今回の事故は、ブルドーザーを操作する上において、政府で要求されているトレーニングを終了している従業員が起こした事故なので、被害者の受けたトレーニングが、不適切なものであったのではないかと思われる。この様な事故を防ぐ為、トレーニングの内容の検討、改善が必要であると思われる。
背景 今回の事故の被害者は、事故が起こる前に、今回事故を起こしたキャタピラ・ブルドーザーに関してのトレーニングを終了していた。又、この工場の通常監査は2001年8月9日に完了していた。
後日談 事故当日、オーダー6214229号がセクション103(k)の規定の下に今回事故を起こした工場に出され、機械の修復、又、通常作業にもどれるようになる2月13日まで作業は停止された。又、2月20日には、召喚状6216066号がセクション104(a)規定の下に出され、全従業員に、機械や設備の操縦席を離れる際の適切な作業手順を確立し、トレーニングを完了したので、その召喚状は3月25日に解除された。
データベース登録の
動機
鉱山業は、古くからある産業なので、事故に対する首尾は万全なものと思われるので、どの様な事故が起こったのか、個人的に興味があった。
シナリオ
主シナリオ 不注意、注意・用心不足、取り扱い不適、価値観不良、安全意識不良、安全対策不足、定常動作、誤動作、機能不全、ハード不良、機械・装置、定常動作、誤動作、身体的被害、死亡
情報源 http://msha.gov/FATALS/2002/FTL02m07.HTM
死者数 1
分野 機械
データ作成者 ヤエココン (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)