失敗事例

事例名称 グラスファイバー製の脚立で作業中に転落
代表図
事例発生日付 1997年07月
事例発生地 アメリカ、バージニア州、リッチモンド
事例発生場所 A社の建物内
事例概要 1997年7月アメリカのバージニア州リッチモンドの郊外で電気工事の作業中に突然グラスファイバー製の脚立の支え部分が破損し、作業員が脛骨高平部を骨折する事故がおきた。
事象 1997年7月アメリカのバージニア州リッチモンドの郊外にあるA社のビルの内でグラスファイバー製の脚立にのって電気工事をしていた作業員が突然脚立の支えとなる脚の下部が破損し、地面に打ち付けられ脛骨高平部を骨折する事故がおき、脛骨高平部と多発性骨折を治療する為に手術を受ける事故が起きた。脚立の生造会社であるB社は業務用として販売された脚立に設計上のミスがあることを知り、設計を変更したが販売済みの脚立に関してリコールせず、警告も出さなかったとして告訴され、脚立の保有者であったA社も保有物管理不足として告訴された。
経過 脚立にのって電気工事作業中の作業員が突然の脚立の支え部分の破損で地面に打ちつけられた。
原因 専門家の検査によると脚立の支えの脚の部分に構造的な問題があり分裂、破砕したと報告されている。
対処 落下事故のあと、脚立には使用禁止の札がつけられた。
対策 B社が設計ミスを消費者に報告するか、回収すべきであった。
知識化 会社として設計ミスが分かっていながら生産物へのリコールを拒否し、警告も出さなかったずさんな対処の結果、多額の賠償金を支払う結果となった事例であるが最初からなすべき対処を取っていれば金銭的損害も少なく、会社の信用を失う事がなかったと考えられる。
背景 この事故が起こる以前に設計上のミスに気づいていたB社は設計を変更していたが既に業務用のみで販売されていたこの脚立の消費者には警告を出していなかった。この脚立を保有していたA社はOSHA(職場の安全、衛生に関する法令)規則により定期的な脚立の検査を行うように義務付けられていたがその責任を遂行できていなかった。
後日談 弁護団(WHS)は製造物責任と管理不備でB社およびA社を訴え、両者で357,000ドルの賠償金が支払われた。
データベース登録の
動機
日常生活でよく使われる脚立の事故が検索していくと多数起こっておりアメリカでは訴訟問題の代表格に位置づけられていることに興味をもったため。
シナリオ
主シナリオ 不注意、注意・用心不足、企画者不注意、誤判断、狭い視野、規格不良、計画・設計、計画不良、機能不全、ハード不良、取付け部品、欠陥、破損、破壊・損傷、材料強度不足、破断、身体的被害、負傷
情報源 http://www.whslaw.com/html/stories.html#RS
負傷者数 1
全経済損失 357000
分野 機械
データ作成者 ユミコホンマ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)