事例名称 |
換気装置の誤操作による炭鉱でのガス爆発で111名が死亡 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2002年06月20日 |
事例発生地 |
中国東北部 黒龍江省 鶏西市 |
事例発生場所 |
A社 城子河煤鉱西二採区炭鉱現場 |
事例概要 |
中国東北部黒龍江省鶏西市の炭鉱で、139人が坑内で作業していた際、坑内の換気装置の不適切な操作と管理が充分に行われていなかったためにガス爆発が起こった。115名が死亡し、25名が負傷した。 |
事象 |
2002年6月20日午前作業員139人が坑内に入って作業していた際、充分な換気が行われておらず、坑内に充満していたガスに何かの火が点火し、ガス爆発が起こった。 |
経過 |
2002年6月20日午前、従業員約5500人、年間産出量約110万トンの大規模炭鉱で139人が坑内に入り作業をしていたところ、午前9時45分頃(現地時間)ガス爆発が起こった。25名は救助され病院に運ばれたが、111名が死亡し、4名が行方不明であったが、後に死亡していることがわかった。 |
原因 |
坑内では充分な換気が必要であるが、多くの炭鉱では換気装置が充分に設備されていなかった。この炭鉱では換気装置の操作が不適切であり、また管理が怠慢であったため、ガス爆発が生じたといわれている。 |
対処 |
事故の知らせを受けて、同省の党・政府幹部が、現場で救出作業を指揮した。 |
対策 |
国家煤鉱安全監察局は既に鶏西鋼務局が管轄する10の鉱山の操業停止を命じた。 |
知識化 |
安全が確認されないまま行動にでると、失敗が発生することが多い。経費を節約するために安全策を怠ると、より大きな損害を招く。 |
背景 |
中国では2001年11月に山西省で炭鉱事故が続発し、年間産出量1万トン以下の小規模炭鉱から閉鎖を進めていた。国家安全生産監督局によると、2001年1~10月の炭鉱事故は2378件で死者は4547人(前年同期比355人減)だった。事故後の調査は行われても、炭鉱の状況は改善していないといわれている。同年4月にも炭鉱事故が発生しており、2002年の前半だけでも炭鉱事故の死者は1000人を超えた。約8000箇所の小規模の炭鉱を閉鎖すると4月に発表されたばかりであった。しかし、炭鉱は一旦閉鎖されても、金儲けをあきらめられない者たちが、再度炭鉱を行うことが多いと言われている。 |
後日談 |
この事故の後、中国黒竜江省鶏西市では7月には44人が死亡する事故が起きた。また、2003年1月20日にも炭鉱でガス爆発事故があり、坑内で作業していた97人のうち16人が死亡した。爆発原因は不明だが、当時、作業員らは仕事用の設備を運んでいたという。 |
よもやま話 |
日本でも昔から炭鉱が盛んに行われてきたが、充分な換気が非常に大切であるというのは常識であった。日本では、坑内の酸欠状態を防ぎガスが坑内に貯まらないように、超大型扇風機を使って坑内の奥の空気を外へ出していたといわれている。 |
データベース登録の 動機 |
日本でも過去に多くの炭鉱事故が発生していたが、中国では現在に至っても炭鉱での事故が次々と発生している。最近また、中国での炭鉱事故を耳にし、利益を重視して危険な炭鉱をそのまま続けている状況が存在することを、人々に理解してもらいたいと思った。 |
シナリオ |
主シナリオ
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調査・検討の不足、環境調査不足、不良現象、化学現象、物質間反応、物質名リスト、気体、爆発、身体的被害、負傷、身体的被害、死亡、社会の被害、人の意識変化
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情報源 |
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/2056968.stm
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200206/21 /20020622k0000m030082000c.html
http://www.jicosh.gr.jp/Japanese/topics/accident/accident/china.html
http://www.sankei.co.jp/news/030121/0121kok125.htm
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死者数 |
115 |
負傷者数 |
24 |
物的被害 |
炭鉱 |
被害金額 |
不明 |
社会への影響 |
炭鉱事故の被害者が続出し、国民は憤慨しているという。 |
分野 |
機械
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データ作成者 |
タカミハマダニ (SYDROSE LP)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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