事例名称 |
制御ソフトのバグのため複写機のデバックで誤動作した |
代表図 |
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事例概要 |
試作複写機のデバックで、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)にセットされた原稿が次々と送り込まれ、原稿詰まりが発生した。これを解除するために、図2のように、ADFを持ち上げたところ、複写機が誤動作してしまった。ADFに強制的に原稿が送り込まれた不具合は、制御ソフトのバグが原因で、この不具合によって、ADFの原稿を送るベルトと原稿ガラスとがこすれて、静電気が発生した。その結果、ADFを持ち上げた際に、原稿ガラスが高電位になり、近くの原稿読取用のスキャンユニットに放電し、さらに金属製のレールにも放電し、ノイズが制御基板にも伝わり、制御ソフトの不具合による誤動作が発生したと考えられる。対策として、ADFのソフトウェアのバグを修正するとともに、制御基板の耐ノイズ性を向上した。 |
事象 |
複写機のデバックで、誤動作した。 |
経過 |
複写機の試作機で、デバックをしていたところ、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)にセットされた原稿が次々と送り込まれ、原稿詰まりが発生した。これを解除するために、図2のように、ADFを持ち上げたところ、複写機が誤動作してしまった。 |
原因 |
ADFに強制的に原稿が送り込まれた不具合は、制御ソフトのバグが原因で、この不具合によって、ADFの原稿を送るベルトと原稿ガラスとがこすれて、静電気が発生した。その結果、ADFを持ち上げた際に、原稿ガラスが高電位になり、近くの原稿読取用のスキャンユニットに放電し、さらに金属製のレールにも放電し、ノイズが制御基板にも伝わり、制御ソフトの不具合による誤動作が発生したと考えられる。 |
対策 |
ADFのソフトウェアのバグを修正するとともに、制御基板の耐ノイズ性を向上した。 |
知識化 |
複写機は画像形成のために静電気を積極的に利用する。このため、その放電対策はもちろん必要であるが、紙やベルトの動きで発生する副次的な静電気に対しても、対策は必要である。 |
背景 |
本事例のような、顧客が不具合を修復する際に発生しそうな不具合に対しても、設計段階で考慮する。 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、過去情報不足、調査・検討の不足、事前検討不足、予期せぬ使用環境、ガラス、紙、電子機器、計画・設計、計画不良、使用、運転・使用、不良現象、電気故障、静電放電、ノイズ、機能不全、ハード不良、定常動作、誤動作
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情報源 |
創造設計エンジンDB
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マルチメディアファイル |
図2.静電気放電によるノイズの発生
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分野 |
機械
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データ作成者 |
張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)
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