失敗事例

事例名称 チェーン伝動でたるみによる振動が発生した
代表図
事例概要 チェーン伝動で振動が発生した。図2のように、計画時のスプロケット軸間距離(A)で、チェーンリンク数の計算値100.5に対し101を選定したので、チェーンのたるみが大きくなったことが原因であった。対策として、選定チェーンリンク数でスプロケット軸間距離を修正した。
事象 チェーン伝動で振動が発生した。
経過 速度比を確実に保ちたいが、軸間距離が長く歯車伝動が使えないので、チェーン伝動を採用して設計した。運転開始したところ、振動が発生した。調査したところ、チェーンのたるみが大きかった。
原因 図2のように、計画時のスプロケット軸間距離(A)で、チェーンリンク数の計算値100.5に対し101を選定したので、チェーンのたるみが大きくなった。
対策 選定チェーンリンク数でスプロケット軸間距離を修正した。
知識化 ピッチの大きいチェーンほど、ピッチ数と長さの違いが顕著となり、大きなたるみとなる。なお、チェーン伝動は、ベルト伝動と比べて伝達馬力が比較的大きく、湿気や熱の影響がないことが特長であるが、音響や振動を起こしやすく、高速度の伝動には適しない。
背景 チェーンリンク数とスプロケット軸間距離など相対的に選定するものは、自由度の大きい方(本事例の場合は軸間距離)で調整する。
シナリオ
主シナリオ 無知、知識不足、過去情報不足、手順の不遵守、手順無視、設計手順無視、チェーン、歯車、計画・設計、流用設計、使用、運転・使用、不良現象、機械現象、振動
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.チェーンのたるみ
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)