失敗事例

事例名称 電源ケーブルの磁界変動でビル管理システムのCRTに「画面ゆれ」が発生した
代表図
事例発生場所 ビル管理室
事例概要 ビル管理システムで、CRTに2~3mmの「画面ゆれ」が発生した。システム設置場所直下に電源ケーブルが通っており、このケーブル内の電流2500~6000Aが作る磁界(磁束密度0.3ガウス)の変動が原因であった。対策として、CRTカバー材を0.5mm厚打抜き鋼板から、0.3mm厚ケイ素鋼板に変更し、磁気を遮断した。
事象 ビル管理システムで、CRTに2~3mmの「画面ゆれ」が発生した。
経過 ビル管理システムを設置したところ、CRTに2~3mmの「画面ゆれ」が発生した。周囲を調査したところ、図2のように、電源ケーブル(電流2500~6000A)がシステム設置場所直下の低圧ダクト内を通っていた。
原因 システム設置場所直下に電源ケーブルが通っており、このケーブル内の電流2500~6000Aが作る磁界(磁束密度0.3ガウス)の変動が原因であった。
対策 CRTカバー材を0.5mm厚打抜き鋼板から、0.3mm厚ケイ素鋼板に変更し、磁気を遮断した。
知識化 CRTは偏向コイルの磁界で走査する電子ビームで描画されるので、外部磁界の影響を受けやすい。設置場所は、送電線や大電流の磁力装置など大きな磁界の影響を受けないようにする。
背景 設置場所の環境条件の決定には、仕様書への明記、設置前の環境調査、顧客へのコンサルテーションが欠かせない。
シナリオ
主シナリオ 調査・検討の不足、事前検討不足、予期せぬ使用環境、電子機器、誤対応行為、連絡不備、不良現象、電気故障、回路、配線、近接、誘導・容量結合、クロストークノイズ、電源、機能不全、ハード不良、機械・装置、位置決め
情報源 創造設計エンジンDB
マルチメディアファイル 図2.CRT設置状況
分野 機械
データ作成者 張田吉昭 (有限会社フローネット)
中尾政之 (東京大学工学部附属総合試験所総合研究プロジェクト・連携工学プロジェクト)