事例名称 |
水添脱硫装置の水注入口配管破損による火災 |
代表図 |
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事例発生日付 |
1970年02月 |
事例発生地 |
神奈川県 |
機器 |
ノルマルパラフィン製造装置 |
事例概要 |
ノルマルパラフィン製造装置を運転していたところ、コンバインド熱交換器と凝縮器との間の配管が突然破損し,開口穴からプロセス流体が噴出し火災となった. |
事象 |
(1)フォールトツリー解析の結果 ○ 図2 破壊形態,破壊のメカニズムとプロセスに着目したフォールトツリー図 注入水がプロセス流体中(灯油,硫化水素とアンモニア)に粒となり管内を流れ,配管の乱流域でエロージョン/コロージョン(E/C)を起こした. ○ 図3 機器の設計と製作における不適切に着目したフォールトツリー図 水注入の方向や位置が適切でなかったため,配管で乱流を生み腐食性物質を含む水がE/Cを生み出した. ○ 図4 機器の負荷履歴,環境と材料に着目したフォールトツリー図 もともと,プロセス流体中に,硫化水素とアンモニアが含まれており,腐食性環境であった他に,水の蒸発率が低く,粒状に2相分離し乱流域でE/Cを引き起こした. (2)イベントツリー解析の結果 ○ 図5 配管のエロージョン/コロージョン損傷のイベントツリー図 プロセス流体(灯油,硫化水素,アンモニア含有)中に,水を注入したところ,水が粒状になり配管の乱流域でE/Cを引き起こした. |
原因 |
(1)注入水が粒状化したこと (2)配管に乱流域が存在したこと |
対策 |
改善すべき点として水注入の方法を変更することと流体が層流になるように配管の形状を変更するか、磨耗対策として流速を下げることなどが考えられる. |
知識化 |
管内の流体の挙動を考慮して設計を行わなければならない.「流動解析」 |
シナリオ |
主シナリオ
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無知、知識不足、過去情報不足、計画・設計、計画不良、設計不良、配管、水注入口位置と方向の不適切、不良現象、熱流体現象、流体現象、気液二相分離、乱流、破損、減肉、エロージョン・コロージョン、肉厚貫通、漏洩、二次災害、損壊、火災
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情報源 |
高圧ガス保安協会
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
0 |
マルチメディアファイル |
図1.破損箇所の概略図
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図2.破壊形態、破壊のメカニズムとプロセスに着目したフォールトツリー図
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図3.機器の設計と製作における不適切に着目したフォールトツリー図
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図4.機器の負荷履歴、環境と材料に着目したフォールトツリー図
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図5.配管のエロージョン/コロージョン損傷のイベントツリー図
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図6.水注入口破損部のスケッチ図
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図7.水添脱硫装置の概略フロー
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分野 |
材料
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データ作成者 |
小林 英男 (東京工業大学)
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