事例名称 |
脱硫油放散塔の補修溶接箇所からの漏洩・火災 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2000年04月 |
事例発生地 |
大阪府 |
機器 |
脱硫油放散塔 |
事例概要 |
製油所で従業員が現場をパトロールしていたところ、重質軽油水素化脱硫装置の脱硫油放散塔から火災が発生しているのを発見した。直ちに装置の緊急停止を行うと共に消防署に通報した。発災から鎮火までに21分間を要し漏洩量は4リットルと見られている。 |
事象 |
当該装置は上流側の水素化脱硫反応塔で水素化処理された油は冷却後、高圧高温分離槽、高圧低温分離槽、低圧高温分離槽及び低圧低温分離槽で水素ガス、硫化水素及び軽質炭化水素ガスに分離される。さらに低圧分離槽で分離された油は脱硫油放散塔(圧力0.38MPa、温度228℃)でナフサを分離して脱硫油となる。 |
経過 |
発災箇所は放散塔〔内径1380mm、高さ16,160mm(T.L~T.L)、材質:SB42+SUS405クラッド、厚さ:(6+3)mm、トレイ4段〕の上から3番目トレイ取付部近傍の肉盛溶接部(SUS309)で約2mmの穴が腐食によってできた。開口位置は1.5年前に肉盛補修溶接(幅25mm×長さ150mm)を行った箇所であり、施工不良により腐食開口に至ったものと見られている。漏洩油の主成分はナフサ、硫化水素(0.27%)、メタン、水素、水(0.77%)である。(腐食速度:6mm/年) |
原因 |
製作不良(溶接欠陥) |
対策 |
異種金属の溶接施工を行う場合、希釈に注意しながら慎重に行う。特にワイヤーブラシを掛けるときは鉄製のものを絶対に使用しない。 |
知識化 |
溶接欠陥 |
シナリオ |
主シナリオ
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不注意、注意・用心不足、作業者不注意、使用、運転・使用、機械の運転・操縦、脱硫油放散塔、破損、減肉、腐食・酸化、腐食開口、放散塔トレイ取付け部近傍肉盛溶接部、使用、保守・修理、修復、溶接不良、使用、運転・使用、機械の運転・操縦、破損、減肉、腐食・酸化、腐食開口、漏洩、二次災害、損壊、火災
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情報源 |
高圧ガス保安協会
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
0 |
物的被害 |
不明 |
被害金額 |
不明 |
全経済損失 |
不明 |
分野 |
材料
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データ作成者 |
小林 英男 (東京工業大学)
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