事例名称 |
HIP装置のピッチ缶積み過ぎによる排気バルブ破損 |
代表図 |
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事例発生日付 |
2001年01月 |
事例発生地 |
埼玉県 |
機器 |
HIP装置 |
事例概要 |
HIP装置(熱間等方加圧装置)でロケット部品のノズル(材質カーボン/カーボン材)を製造していたところ、炉体の温度が650℃に達した時、排気系配管に取り付く排気バルブから高温のガスが噴出し、その後排気バルブ上部のハウジングが破損しピット内に飛散した。HIP装置の運転はコントロール室で遠隔操作していたので、幸いけが人はなかった。 |
事象 |
HIP本体(内径914.5mm、長さ3683mm、厚さ209.6mm、材質SA-723、圧力1000kg/cm2、温度150℃)は炉体の外側の断熱材及び外部冷却水により保護されており、運転開始以来229回の運転が行われた。破損箇所はHIP本体からスクラバーに至る配管(外径14mm、厚さ3mm、材質SUS316硬化型)の途中に取り付けられた排気バルブ(口径15A、材質SUS316)である。事故後破損したバルブの部品は回収されたがグラファイトパッキンのみ未回収である。これは高温の排気ガスが長時間流れたため焼失したものと思われる。 |
経過 |
部品をHIP処理する時、炉内にノズル素材をセットし、その上にピッチ缶を積み上げ、窒素ガスを供給しながら昇温過程→昇圧過程→降圧過程で行われる。ピッチ缶を従来以上に積み上げたため、ピッチの液面高さと排気口との距離が近くなり、高温のピッチが排気系配管に流れ込みバルブのグラファイトを溶融させ、バルブ上部が破損したもの。 |
原因 |
操作基準の不備 |
対策 |
(1)排気系配管にピッチが流失しないようにする。 (2)超高圧設備であるということを忘れずに社内教育の徹底を図る。 |
シナリオ |
主シナリオ
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手順の不遵守、手順無視、操作手順無視、使用、運転・使用、機械の運転・操縦、HIP装置、定常操作、手順不遵守、ピッチ缶積み過ぎ、排気口へ浸入、不良現象、熱流体現象、熱現象、グラファイト溶融、排気バルブ、破損、破壊・損傷、破壊・破断、高温ガス噴出、ハウジング飛散
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情報源 |
高圧ガス保安協会
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死者数 |
0 |
負傷者数 |
0 |
物的被害 |
不明 |
被害金額 |
不明 |
全経済損失 |
不明 |
分野 |
材料
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データ作成者 |
小林 英男 (東京工業大学)
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